松本城で電子チケット導入へ 紙と併用で7月下旬めどに
長野県松本市は、松本城の国宝天守を訪れる見学者の待ち時間を解消するため、入場券に電子チケットを導入する。天守に入場する日時を指定し、クレジットカードなどで決済できるようにする。繁忙期は入場に2時間近くかかることもあり、解消策が求められていた。市議会6月定例会に関連経費810万円を計上した補正予算案を提出、議決されれば、7月下旬をめどにオンライン販売を始める。 個人が対象で、松本城のホームページ(HP)や国内外のオンライン旅行会社のHPから購入できるようにする。登録したメールアドレスに送られたQRコードを、読み取り機にかざして入場する。券売所で入場券を買う必要がなくなり、スムーズな入場が可能になる。従来の紙チケットと併用する。 松本城の入場者は、入場券を購入する黒門近くから埋橋まで約300メートルにわたって列になることもあり、特に夏場は熱中症が心配されている。入場券を買う待ち時間と、天守に入場する待ち時間が「二重苦」だとの声も上がっていた。市議会の一般質問でもこの問題が取り上げられ、市がオンライン販売を検討していた。 松本城管理課の松岡由香課長は「解消された待ち時間を有効活用し、観光客の回遊性を高める効果を期待したい」と話している。市が進めるデジタル技術を活用する「DX戦略」の一環で、松本市立博物館(大手3)も7月下旬に入場券の電子チケットを導入する。