プラスチック汚染防止条約、合意先送り 生産規制巡り対立埋まらず
プラスチック汚染防止条約策定のための政府間交渉委員会は2日、韓国・釜山での会合で条文案に合意することを断念した。生産規制を巡る対立が解消せず、2025年に会合を再開して交渉を続ける。 【干ばつ・洪水・猛暑…今、地球で起きていること】 22年の国連環境総会での決議に基づき、交渉委は年内の条約策定を目指していた。釜山での交渉委会合は11月25日に開幕。会期中、プラ素材の生産削減目標設定を求める欧州連合(EU)などと、生産規制に関する条文を設けることに反対する産油国の間の対立は解消しなかった。 交渉委のルイス・バジャス議長(エクアドル)は会期末の1日、生産規制について「条文を設けない」という案と、プラ素材などの削減目標を第1回締約国会議で決める案を併記した草案を公表。この草案を基に交渉を継続することについて参加国の了承を得たうえで、会合を中断した。再開会合の日程、場所は未定。 国連環境計画(UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長は「釜山での協議で、プラ汚染の猛威から私たちの健康、環境、未来を守るための条約の合意に近づいた。だが、重要な分野で依然として意見の隔たりがあることは明らかで、合意にはさらなる時間が必要だ」とコメントした。【釜山・大野友嘉子】