GQハイプリスト 11~20
何を着て、どんな香りをまとい、どこで食事をするべき? そして、バケーションはどこに行けばいい? 世界中を網羅した、超具体的かつかなりパーソナルな、“いまこの瞬間、最もクールなもの”をまとめたガイドをお届けします! “いまこの瞬間、最もクールなもの”をチェック!
11 リュクスな実用バッグ 高級バッグを安いキャンバストートのように使う。アンジェロ・ウルティアはゴヤールの「サン・ルイGM」(写真)を愛用する。「大容量で軽いけど頑丈です。角がくたびれてきたから、靴の修理店で直してもらおうかな。そのほうがおもしろい」。彼はセリーヌのヴィンテージスカーフバッグも使っている。「白のパテントレザー製で、かなり傷があります」。彼の妻も使いたがったが、バッグを見て「やっぱりいい。あなたがずっと持っていて」と言ったそうだ。 12 涼しいバケーションスポット 真夏に灼熱地獄になるビーチや街はもう十分。シンプルで涼しい避暑地を探すのが賢い選択だ。そして、スイスに勝る場所はない。リアーナも認めたハンドバッグを手掛けた双子姉妹、カミラ&ジュリア・ヴェンチュリーニはミラノの喧騒を逃れ、人口750人の湖畔の村、シルス・マリアを訪れる。ニーチェ、ヨーゼフ・ボイス、デヴィッド・ボウイを癒やしたことで知られる静かな村だ。「とてもシンプルでミニマル。湖と山、他には何もありません」とヴェンチュリーニ姉妹。 アレグレもアルプスの魅力に取りつかれた一人だ。彼の理想の旅程では、まず 新規オープンした「Hotel Drei Berge」に数日間滞在する。この築100年の山小屋は現在、クリエイティブディレクターのラムダン・トゥアミが改装を手掛けている。その後、ストックホルム群島の森と水しかない小さな島にある家を借りる。アレグレ曰く「レストランまで ボートを漕がないといけない」そうだ。 13 究極のパン サワードウやパイ生地もいいが、パンの可能性をさらに広げる時が来た、とダニー・ボーウィンは説く。最近彼は、ブルックリンの「She Wolf Bakery」のポレンタプルマン食パンに凝っている。さらには、メイン州バスの「Solo Pane e Pasticceria」で塩水を使ったフォカッチャや、牛乳を加えた日本の食パンをマスターしたパン職人、シモーン・ラボアと究極のパンについて議論を重ねている。「イタリア系のパン職人と日本のミルクブレッドについて語り合うというのが気に入っています」 14 復活したパリで外食 何世代も世界一の美食都市であったパリが、スランプに陥っているというのは有名な話だ。アレグレは「パリは死んだようにつまらなかった」と簡潔に説明する。だが、その復活に気付いたのは彼だけではない。伝統的なフレンチの技法を斬新な味覚と融合させる、新しい世代のシェフたちのおかげだと彼は言う。パリにいる時アレグレは、「Le Clown Bar」や「Le Dauphin」で食事をする。古き良きブラッスリーの懐かしさを、落ち着いたモダンな雰囲気が包み込む。 15 合理的なジム エクササイズに、ユーカリの香るタオルは必要ない。ヴェンチュリ ーニ姉妹に言わせれば、完璧なジムを探すコツは「余計なものを捨てること」。姉妹が好きなジムは、いたってシンプルだ。「ミラノで、80年代の建物にあるジムを見つけました。いつも空いていてとても安いのです。以前通っていた高級ジムはある種の人たちでいつもあふれていて、競争も激しかった。今のジムでは嫉妬や比較が問題にはなりません。みんなが何かしらの問題を抱えているから」 16 モールで買ったフレグランス 職人の作る希少な香りが流行った後、賢く目立つには90年代のショッピングモールを彷彿とさせる香りを選ぼう。「ディオールのヒプノティックプアゾンはセクシーな香りです」とヴェンチュリーニ姉妹。「アクア ディ ジオ」、「ブルー ドゥ シャネル」、「パコ ラバンヌ ワンミリオン」もリバイバル中だ。 17 東京より大阪 ハリー・スタイルズ、Supremeのスケートチーム、ウェス・アンダーソンなどが東京に行く時に呼ばれるのが、さすらいのエピキュリアン(快楽主義者)、野村訓市だ。だが、最近彼は大阪のほうが気に入っている。「最近、東京の都心にいるのは3、4割が観光客。大阪はもっと生活感があります。より小さくて密集しているから歩いて回れる。ルイ・ ヴィトンがオープンしたアジア最大規 模の旗艦店と、巨大な看板や古いバ ー、居酒屋であふれた飲み屋横丁みたいなところとのバランスがいい。 活気のある雰囲気が好きです」 18 進化するチキン 長らく、レストランの鶏肉料理は単に無難な選択肢であったが、大胆な味覚を開発するためのキャンバスとして扱ったり、より繊細な調理法を取り入れたりと、シェフたちが定番の鶏肉料理に注目し、それが変化させているとウルティアは言う。「鶏肉料理は過小評価されていますが、僕にとっては嬉しいサプライズです」と語る。お気に入りは、ニューヨークの「The Modernの Bar Room」で食べるフライドチキンだ。 19 ウイスキーハイボール マティーニのよりシンプルな代替案として、野村はウイスキーハイボールを提案する。「僕は毎晩外でたくさん飲みます。運動はしないけれど、50 歳になっても痩せている。コツはテキーラかハイボールしか飲まないこと。そして飲む時は立って歩き回ること。それが運動です」。ソフィア・コッポラが監督した「サントリー」のCMに(キアヌ・リーヴスとともに)野村が出演したのは有名だ。 ハイボールはいたって簡単に作れる。 • ハイボールグラスに氷を入れる。 • 冷えたウイスキーとソーダを注ぐ(ウ イスキー1に対してソーダは3~4)。 • グラスの底から素早くかき混ぜる。 • レモンツイストを加える。 20 カバーソング 新しくカバーソング専用のプレイリストを作ろう。「カバーソングとは、何かを新しく作り直す、美しい芸術です」とウルティア。 Spotifyで今すぐ聴くべき5曲 ピーター・ガブリエルのカバーするザ・マグネティック・フィールズ 「The Book of Love」 ザ・ホワイト・ストライプスのカバーする ドリー・パートン「Jolene」 ビーチウッド・スパークスのカバーする シャーデー「By Your Side」 ステレオ・トータルのカバーする ソルト・ン・ぺパー「Push It」 ディヴァイン・コメディのカバーする デヴィッド・ボウイ「Life on Mars?」