痩せ型でも「糖尿病」になるのはご存知ですか? 予防法・治療法も医師が解説!
糖尿病予備軍で痩せ型の女性・男性も知っておきたい予防方法や食事の注意点
編集部: 痩せ型の人が糖尿病予備軍と診断された場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか? 佐藤先生: まずは食生活を見直し、適切な食事量を取るとともに必要な栄養素をしっかり摂取しましょう。また、運動習慣を身につけることも糖尿病の予防に役立ちます。 編集部: ほかにも注意点はありますか? 佐藤先生: アルコールとタバコは、どちらも糖尿病を悪化させる原因になります。極力控えることを意識しましょう。また、コーヒーや緑茶を積極的に摂取すると、糖尿病の発症を抑制する効果が期待できるという報告もあります。加えて、脂質に偏った食事をしている人は、魚の油などを積極的に摂るようにしてみてください。 編集部: 医療機関での検査は、定期的に受けた方がいいのでしょうか? 佐藤先生: 血糖、HbA1c(ヘモグロビンA1c)や尿糖の検査を受けることをおすすめします。特に尿糖検査は隠れ糖尿病を発見するのに有用な検査です。これらの検査を定期的に受けるとともに、自宅でも血圧を測ったり、体重を測定したりする習慣をつけましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 佐藤先生: 痩せたいという思いは理解できますが、ただ体重を減らすよりも、ぜひ健康的に美しい体を目指してほしいと思います。特に、食事だけで痩せようとするのは危険です。理想は「バランスの良い食事をしっかり摂って、運動量も多い」という、エネルギーが高回転している状態です。こうすることで余分な脂肪が蓄積することなく、健康的な状態を維持できます。特にBMIが18.5を下回ると健康上のリスクが高まるとされているので気をつけましょう。
編集部まとめ
「痩せているから糖尿病にはならない」という認識を持っているのであれば、すぐにその考えを改める必要がありそうです。特に「食べない」「運動しない」という状態が続いている場合、かえって糖尿病のリスクが高くなっている可能性があります。「食事が糖質に偏っている」など心当たりがある場合には、定期的に血糖値の測定を受けて、糖尿病の発症予防に努めましょう。
【この記事の監修医師】
佐藤 雄紀 先生(新緑糖尿病内科クリニック) 信州大学医学部卒業。その後、長野赤十字病院初期研修医、東京都済生会中央病院、慶應義塾大学病院、埼玉メディカルセンターなどで経験を積む。2023年、埼玉県川口市に「新緑糖尿病内科クリニック」を開院。地域のかかりつけ医として、幅広い診療から糖尿病の専門的な治療までおこなう。