民宿と旅館の違いを知っていますか? 「料金の差」やそれぞれの特徴を解説!
日本の宿泊施設のなかでも民宿と旅館の違いや宿泊施設の特徴、サービス内容、料金を解説します。また、民宿と旅館の歴史などから目的や利用シーンに応じた宿泊施設の選び方を幅広くご紹介します。
民宿と旅館の違い
日本で民宿や旅館など宿泊業は「旅館業法」により区分が定められています。 まず大きく「旅館・ホテル営業」と「簡易宿所営業」「下宿営業」と3種類にわけられます。旅館は「ホテル・旅館営業」、民宿は「簡易宿所営業」の基準にそれぞれ沿った宿泊施設です。 「旅館・ホテル営業」のホテルや旅館は、フロントや玄関帳場の設備や男子・女子で区分された共同トイレの設置が条件になっています。 また、ホテルは客室のメインが洋式で、1室の床面積が9平方メートル以上かつ10室以上、旅館は客室のメインが和式となり、1室の床面積が7平方メートル以上かつ5室以上が必要です。 「簡易宿所営業」は、設備や客室数は問われません。ただし、客室全体の床面積が33平方メートル以上である、または、宿泊者数が10人未満の場合は宿泊者の人数あたり3.3平方メートル以上の広さが必要です。
民宿と旅館の歴史
日本初の「宿」が誕生したのは奈良時代で、「布施屋」という宿泊施設が起源とされています。交通網が未発達だった当時、飢えに耐えながら旅する者が多かったため、食料を施す宿舎としてスタートしたようです。 その後、江戸時代には現在の「旅館」にあたる凝った料理を提供する宿泊施設が増えました。一方、民宿が発祥したのは長野県白馬といわれています。 登山者は行程の打ち合わせや食材の仕入れをしながらガイドや案内人の家で一泊し、翌朝登山へ出かけるのが一般的でした。1937年に案内人をしていた16軒が警察から許可を得て、民宿として営業をスタートしたのです。
旅行者が泊まるなら旅館?民宿?
旅館に泊まるメリットはおもてなしのサービスを受けながら、露天風呂などの温泉施設や豪華な盛り付けの食事を楽しみ、贅沢な時間を過ごせる点です。宿泊料金は高めに設定されています。 大阪府が2024年に実施した「令和6年度大阪府宿泊実態に関する調査」によると、宿泊単価は旅館が平均7159円、民宿である「簡易宿所」は平均4175円でした。 おもてなしや豪華な夕食を求めるのであれば旅館ですが、宿泊料金が高くなってしまいます。一方、民宿は個人または家族経営が多く、家庭料理やアットホームな雰囲気が特徴で比較的手頃に泊まれます。 コストをかけずに旅行を楽しみたいのであれば民宿、贅沢な旅行を楽しみたいのであれば旅館がおすすめです。