ピムコ、米国債は有望な投資対象-利回り曲線のスティープ化見込む
(ブルームバーグ): 米国債は最近の利回り急上昇と米当局の追加利下げ観測を背景に有望な投資対象だと、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はみている。
21日時点で指標の米10年債利回りは約4.4%と、9月中旬の低水準から0.75ポイント強上昇。さまざまな期間で利回りが再び4%を超えている。
ピムコの資産配分担当ポートフォリオマネジャー、エリン・ブラウン氏はブルームバーグテレビジョンで、「利回りは起点としてかなり魅力的な水準にある。米当局が利下げに動く中で、相場上昇の恩恵を受けられるだろう」と述べた。
12月17、18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25ポイント利下げについて市場が織り込む確率は約5割に縮小しており、2025年末までの利下げ幅は約70ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)が想定されている。これは、現在4.5-4.75%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が3.75-4%に低下することを示唆する。
ピムコも同様の見解を示しており、そうした変化の大半は年央までに起こると予想している。
ブラウン氏は「成長率とインフレ率がともに、より正常な水準に低下しているにもかかわらず、なお極めて高い金利政策が講じられている」とした上で、「米当局にはなおかなりの利下げ余地があると思う」と語った。
ピムコは、米財政赤字拡大の見通しで長期債需要が抑えられる一方、5年債など期間短めの債券は恩恵を得るとして、イールドカーブのスティープ化を予想している。
21日時点で、米5年債利回りは約4.30%で、30年債を約31bp下回った。スプレッドは9月25日に62bpと,今年のピークを付けている。
ブラウン氏によれば、ピムコは世界的に国債パフォーマンスは堅調と見込むが、米国よりオーストラリア、カナダ、欧州を選好している。国債は株式などリスク資産の値下がりに対するプロテクションも提供すると述べた。