中国では〝夢の免許証〟外免切替、外国人殺到の大問題 「学科試験」たった10問、住所は「ホテル名」…無謀運転や死亡事故発生
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「日本の『外免切替』制度はもともと、外国の大使館関係者や海外のテレビ局クルーなど、一定数の外国人のためのもので、ビザや住民登録の確認が問題になることもなかった。学科試験も『受かってください』という優遇措置のようなもので、留学生らに適用されるなど想定もされていなかった。アジア諸国と比べても日本の制度は15年は遅れている」と話す。
無謀運転や死亡事故も発生
外国人による悲惨な交通事故も発生している。
今年8月、山梨県富士河口湖町で、レンタカーを運転していた中国籍の27歳の女が、60代の中国籍の男女2人をはねて死亡させた。
9月末には、埼玉県川口市の交差点で、中国籍の18歳の男が、飲酒のうえで一方通行を時速100キロ以上で逆走して別の車に衝突し、51歳の日本人男性が死亡した。
片山氏「差別ではなく、治安維持」
東京・港区の野本達矢区議(公明党)が公表した警察庁のデータによると、2023年の外国籍の日本免許所有者(原付以上の全免許)は116万人超で、14年時点から約1・5倍に増えた。国籍別では中国が32万人超で最も多い。日本の免許証を所持する外国籍の運転者(同)による昨年の交通事故件数は6367件で、うち中国が最多の1571件だ。
訪日外国人がレンタカーの利用中に起こす事故も急増している。東京、北海道、沖縄県などのレンタカー協会は「外国の方が運転しています」というステッカー使用を奨励し、日本人向けに注意喚起を促している。
国によっては交通規則やマナーなどに違いもあるなか、外国人が簡単に運転免許を取れてしまうのは、交通安全対策として問題ではないのか。
一般社団法人「国際免許情報センター」の松島隆太郎代表理事は「外国人向けの試験が簡単だというのは、日本人が留学などの際に外国で免許の切り替えをする際も同様で、相互的な取り組みの側面もある。ただ、中国人旅行者向けの白タク行為への利用を目的とした取得も見受けられ、違和感を覚える人が多いというのは理解できる」と話す。