インバウンド人気急上昇は「山形県」。東北や九州‥外国人が「こぞって地方」の理由
2023年、ニューヨーク・タイムズが発表した「2023年に行くべき52カ所」の一つに岩手県盛岡市が選ばれた。これまで訪日客の行き先としては定番ではなかっただけに話題になったが、実際に2023年の訪日外国人観光客はどこを訪れたのか。 【全画像をみる】インバウンド人気急上昇は「山形県」。東北や九州‥外国人が「こぞって地方」の理由 三井住友カードとナビタイムジャパンが、決済や移動のデータからインバウンドの動向を調べたところ、2023年の人気エリアとして意外な県が浮かび上がった。
インバウンド客がお金を落としているのは「山形」
三井住友カードが、自社の決済データをもとにインバウンドの決済金額を比べた。新型コロナウイルス流行前の2019年と2023年での決済金額を都道府県別で比較すると、増加率が最も高いのは山形県で2019年比で260.9%増加した。 2位は和歌山県(197.1%増)、3位は高知県(157%増)と続く。 山形県は、大正時代の風情を感じる「銀山温泉」が人気の目的地という。宿泊や周辺での飲食に伴い決済金額が伸びたほか、意外な消費行動も明らかになったという。 三井住友カードマーケティング本部データ戦略ユニットの安藤皇太氏によると 「特徴的なのが、宿泊に合わせて貴金属や時計を山形県で購入するというケースが新たな傾向として見られている」 という。 反対に、決済金額の増減率がワーストだったのは三重県(マイナス72.9%)、岡山県(同34.5%)、愛知県(同34.1%)。中部地域や近畿地域はコロナ前に中国人観光客への依存度が高く、2019年は「爆買い」効果によって決済金額が大きかった。コロナ禍後、中国から日本への団体旅行の制限によって中国人旅行客の回復が遅れていることに影響を受けたとみられる。
土屋咲花