「現実かと思った」――文章で動画を作成、最新 AI「Sora」とは 専門家に聞く…“フェイク”を見分けるポイントは
日テレNEWS NNN
ChatGPTを生んだオープンAIが開発中の、最新AI「Sora(ソラ)」。そのデモ映像が公開され、再現性の高さに驚きの声が上がっています。文章で指示することで、簡単に最長1分の映像を作れます。危険性も踏まえ、どう付き合うべきでしょうか? 【図解はこちら】世界的歌姫「ニセ画像」が大統領選に影響?……テイラー・スウィフトさんにバイデン陣営も期待 「5人に1人がなびく」調査も
■驚きを隠せない AI のクオリティー
16日夜、東京・渋谷。夜の繁華街を歩く1人の女性が映った動画を、街の人に見てもらいました。会社員(20 代)は「渋谷じゃないかな? 分かんない。多分、通ってきたところじゃない?」と言いました。 AI が作った架空の世界であることを伝えると、「え! そうなんか! すご!」と口に手を当てました。人工知能の AI が作ったと聞いた学生(16)は「えーえ! え! 現実かと思った…」と、そのクオリティーの高さに驚きを隠せない様子でした。
■オープン AI、日本語の「空」から命名
動画を作り出したのは、最新 AI「Sora(ソラ)」。ChatGPTの生みの親、アメリカのオープン AI が開発中の技術です。文章での指示に基づいて最長1分のさまざまな映像を生成できるといい、そのデモ映像がいくつか公開されました。アメリカのニューヨークタイムズによると、「Sora」という名前は、創造できるアイデアが無限なことから、日本語の「空」から付けられました。
■文章で…女性の見た目も情景も再現
夜の街を歩く女性の動画は、「暖かい色のネオンや看板であふれた東京の通りを、おしゃれな女性が歩いている」「サングラスと赤い口紅を塗っている。女性は自信に満ち、さりげなく歩いている」(実際は英語)という文章を基に生まれました。女性の見た目に関する指示だけではありません。「道は濡れていて、色とりどりのライトが反射。多くの歩行者もいる」という文章に基づき、周りの情景に関する情報も忠実に再現されています。
■実写さながら、CGアニメ風の映像も
また、「東京郊外を走る電車の窓にうつる反射」という短い文章からは、実写と見間違えるほどの映像が生成されました。車窓に反射していたのは、乗客らの姿でした。これを見た人は「え? 反射とかめっちゃリアル」と舌を巻きました。 他にも、雪が積もる東京の街に桜を咲かせたり、CGアニメーションのような映像を作り出したりすることも可能です。現在、この最新技術をビジュアルアーティストやデザイナー、映画製作者に対して提供を始めたというオープン AI。性的な動画や暴力的なもの、著名人に似せたものは制作できないようにするとし、技術悪用のリスクや安全性を専門家と検証していくとしています。