OpneAIが GPTストア ローンチも利用をためらう企業が続出。各社の懸念点はどこに
記事のポイント オープンAIがGPTストアをローンチし、開発者がカスタマイズしたジェネレーティブAI搭載ChatGPTチャットボットを公開できる場所が提供された。 デジタルパブリッシャーのなかには、まだこの分野への本格的な投資が行っていない企業も多く、その要因として限定的なリソースや収益機能の不透明性を挙げている。 GPTストアはまだベータ版段階にあると感じられており、機能面の不足やユーザー評価の仕組みの不在が指摘されている。 オープンAI(OpenAI)が1月10日にローンチしたGPTストア(GPT Store)は、開発者がカスタマイズしたジェネレーティブAI搭載ChatGPTチャットボットを公開できる場所である。 だが今のところデジタルパブリッシャーは、チャットボットを構築して、あるいはすでに構築済みのチャットボットを追加してオープンAIのアプリストアで利用できるようにすることに、さほど乗り気ではない。 まだこの分野への本格的な投資が行われていない理由として、メディア企業の幹部たちは、GPTストアで何ができるのかを調査するための自社のリソースが限られていることや、オーディエンスや収益を増やす機会になるかどうかが不透明であることなどを挙げている。
ビジネス上の効果はまだ不明瞭
だが、実験的に自社サイトでのカスタムチャットボット制作に着手したメディア企業6社に対しDIGIDAYが取材をしたところ、そのうちのパブリッシャー1社がこれまでにGPTストアを利用したテストを開始したことがわかった。そのパブリッシャーとは占いサイトを運営するインジェニオ(Ingenio)で、自社サイトAstrology.com用にすでに構築していたジェネレーティブAI搭載の3つのチャットボットを、1月22日にGPTストア上に公開したという。 読者をサイトにつなぎ留め、より多くのコンテンツを消費してもらうために、より優れた検索機能やおすすめコンテンツ機能、あるいはチャットボットを使用したゲームなどの形でエンターテインメントを提供するインタラクティブな製品が、リテンションツールとして機能するのではないか。 そう期待したパブリッシャー各社は、2023年からジェネレーティブAI搭載カスタムチャットボットの開発に着手していた。BuzzFeedのCEOであるジョナ・ペレッティ氏は、2023年の同社のAI搭載チャットボットゲームにおける平均滞在時間が、あらかじめ質問が設定されている静的なクイズの場合に比べて4倍も長かったと、決算説明会で述べている。 インジェニオのメディア担当プレジデントであるジョシュ・ジャフィ氏によれば、同社はGPTストアに多くのリソースを投入するつもりはなく、現時点ではこれ以上のことをするビジネス上のインセンティブがないため、「少しずつ慎重に試していく」のだという。「結局のところ、これがどれだけの新しいオーディエンス、あるいはお金を生み出すのか?」と同氏は問いかけている。なお、本記事のためにオープンAIに複数のコメントを求めたが、同社からの回答は得られなかった。