投資内容がわかりやすくて馴染み深い 住居特化型J-REITの特徴と展望
住宅リートの代表的な銘柄
掲載した表は、住宅リートの一覧です。時価総額順に3つばかり簡単に取り上げてみましょう。 住宅リートで一番時価総額が大きい銘柄はアドバンス・レジデンス投資法人(証券コード:3269)です。スポンサーは伊藤忠商事グループです。2010年に旧アドバンス・レジデンスと日本レジデンスが合併して誕生しました。 ちなみに、住宅リートは内部成長期待が高くないので、物件の取得によって規模の拡大を目指す外部成長に依存する傾向があり、その一環として合併が比較的よく行われています。 2番目の日本アコモデーションファンド投資法人 (証券コード:3226)は三井不動産グループがスポンサーの住宅リートです。東京23区、その中でも特に都心5区の比重が高いという特徴があります。 3番目の大和ハウス・レジデンシャル投資法人(証券コード:8984)は、名前の通り、大和ハウス工業がスポンサーです。もともとはビ・ライフ投資法人という名称で、マンションデベロッパーのモリモトがスポンサーだったのですが、スポンサーが大和ハウスに切り替わり、名称も変更されました。その後、破たんしたニューシティレジデンス投資法人を合併するなどして規模を拡大してきています。今年の9月には、同じ大和ハウス工業がスポンサーの複合型リートである大和ハウスリート投資法人と合併することが決まっていて、総合型リートになる予定です。 住宅リートは、オフィスリートや総合型に比べると、売買高がそれほど大きくありません。少し地味な印象なのかもしれません。でも、投資対象の内容が分かりやすく、一般投資家にはとても馴染みやすいタイプのJ-REITだと思います。 (ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役・田渕直也) 著書に『入門 JーREITと不動産金融ビジネスのしくみ』、『入門 金融のしくみ』『世界一やさしい金融工学の本です』(すべて日本実業出版社)。