<塩野瑛久>大河ドラマでは初 「光る君へ」一条天皇役で“龍笛”の生音披露 「心をはっきりと映す楽器」をどう身に着けた?
俳優の吉高由里子さん主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に出演している塩野瑛久さん。初の大河ドラマで、4月14日放送の第15回「おごれる者たち」から、麗しく成長した一条天皇を演じ、注目を集めている。第15回では、一条が愛する定子(高畑充希さん)の前で、龍笛を披露する姿が描かれたが、劇中で実際に塩野さんが吹いた生の音が使われているシーンもあるという。「僕の口からいうのもあれですけど、大河ドラマでは初めてのことらしくて」と明かす塩野さんが、龍笛や定子のこと、さらに母・詮子(吉田羊さん)について語った。 【写真特集】今から11年前 戦隊ヒーロー時代の塩野瑛久! グリーン? レッドは竜星涼!!
◇龍笛の不思議さ いかに落ち着いて、思いを音にして届けるか
一条天皇は、66代天皇。道長(柄本佑さん)の甥(おい)で、幼くして即位した。入内した道隆(井浦新さん)の長女・定子を寵愛するが、のちに道長の長女・彰子(見上愛さん)も入内し、世継ぎをめぐる政争に巻き込まれる。
笛の名手としても知られる一条天皇。塩野さんも役作りの過程で、龍笛の練習は「しっかりやりました」と明かす。一方で、うまく音を出すのには、「リラックスすること」が大切とも語る塩野さん。
「龍笛って不思議なもので、吹こうとすればするほど吹けなくなる。いい意味で“適当にやる”のがちょうどいいんです。僕もみっちり練習、みっちり稽古(けいこ)というよりかは、とりあえず自分の家の目につくところに置いておいて、ふと目に入ったら、とりあえず手にとって吹く。それも5分くらいで終わらせる。それを毎日繰り返して身に着けた感じです」
そんな塩野さんは、龍笛を「心をはっきりと映す楽器」と位置付ける。「緊張とか、『こうすれば』とか、何かを意識すればするほど音が出なくなっていく」ため、何かと緊張が伴う撮影本番とは「相性は悪いんです」と認める。
「『本番』と言われて、音がなかなか出ないってこともなくはなかったですし、でも、その中でいかに落ち着いて、思いを音にして届けるか。先生もおっしゃっていたのですが、『うまい下手ではない』と。その先生からは、一条天皇だって龍笛のプロではなく、あくまで趣味の延長として吹いていたという意味で、(塩野さんが)『説得力ある演奏をしている』と言っていただけて。そこで自信もついて、徐々に徐々に上達していったって感じです」