１４日、国防・安全保障分野の協議会を開く北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記（右から３人目）（朝鮮通信・時事）

　【ソウル時事】韓国軍は15日、北朝鮮が同日正午（日本時間同）ごろ、韓国につながる道路の一部を爆破したと発表した。 　北朝鮮軍は9日、南北間の道路や鉄道を完全に遮断し、要塞（ようさい）化すると発表していた。 　韓国軍によれば、爆破したのは北朝鮮の東側の「東海線」と西側の「京義線」。いずれも南北軍事境界線の北朝鮮側という。 　北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、金正恩朝鮮労働党総書記が14日、国防・安全保障分野の協議会を招集したと伝えた。北朝鮮は、韓国の無人機が今月3回にわたり平壌に侵入してビラをまいたと主張しており、対応する軍事行動計画を協議。正恩氏は「強硬な立場」を表明し、軍の活動方針を指示した。 　同通信によると、協議会には努光鉄国防相や党書記らが出席。「敵の重大な主権侵犯挑発事件」に関する分析と軍事行動計画に関する報告を受けた。これに先立ち、軍総参謀部は再度の侵入に備えるとして、南北軍事境界線付近の部隊に砲撃準備を指示した。 　韓国統一省報道官は14日、北朝鮮の狙いについて「体制内部の結束と住民統制のため、危機と緊張の状態をつくっている」と分析した。韓国軍は軍事挑発に備え警戒態勢を強化。北朝鮮が南北間の線路や道路の爆破、軍事偵察衛星の打ち上げに踏み切る可能性もあるとみていた。