サントリーのウェブアクセシビリティ改善プロジェクト:適合レベルAA達成と進め方
タイトルが異なる場合は、サイトオーナーに連絡して修正してもらった。サイトオーナーは制作会社に修正を依頼する場合もあり、この調整に時間がかかったという。以下のような指摘事項を修正し、2023年9月にお客様センターサイトでAAを取得できた。
ウェブアクセシビリティは一度では終わらない、継続的な取り組み
サントリーでは、今後のリニューアルや新規ページ作成時に、ガイドラインを遵守することで、アクセシビリティが担保されたサイトを増やし、すべてのページがお客様に使いやすい設計になることを目指していく。 ┌────────── ガイドラインの整備や勉強会を通して、サイトオーナーの意識が変わったことが成果です。アクセシビリティという言葉すら知らない人もいる中で、概念を伝え、ガイドラインが守られていないとどんなことが起こるのかを知ってもらいました。障がいのある方/なし方にかかわらず、サントリーのページを誰もがみやすくすることの重要性が伝わったことに意義があります(夏秋氏) └──────────
今後はお客様センターに寄せられたウェブサイトへの指摘などをまとめて、サイトオーナーに伝えて改修していく予定だ。
社会の期待にあわせてウェブサイトをアップデートし続ける
ウェブアクセシビリティ改善に取り組んでみたいと思う方に対し、石川氏は次のようにアドバイスする。 ウェブアクセシビリティの確認ツールとしては、総務省が提供する『miChecker (エムアイチェッカー)』がある。ただ、指摘事項が多く内容が専門的なので、このツールを使うよりも、 ・自分のサイトをスクリーンリーダーで再生しどのように表現されるか ・タブキーだけで見たい場所に移動できるか を確認してみることから始めてみて、ブラウザの拡張機能でアクセシビリティをチェックできるものがあるので、活用してほしいということだ。 現状のウェブアクセシビリティの評価と今後の取組みについて聞いた。 ┌────────── レベル感としては、第一歩を踏み出せたところです。二歩目はお客様からの指摘を改善していくことで、最終的にはすべてのページがお客様に使いやすいようになることを目指しています。法改正など社会の動きが早いので、迅速に対応していくためにも重要な取り組みです(夏秋氏) └────────── ┌────────── 表現方法よりもお客様の目的を達成することを重視して、Webサイトを制作することが重要です。誰にでも使いやすいサイトにしていくことで、誰も取り残さないという会社の姿勢を示せますし、ファンづくりにもなると思います。社内の改善コンサルタントとして、社内啓蒙とサイトオーナーの相談役を続けていく予定です(石川氏) └──────────
ウェブサイト全体のウェブアクセシビリティ対応は困難だが、まずはできる範囲で対応し、社内の啓蒙をするというサントリーの姿勢は、他の企業にも大いに参考になるだろう。