エアコンの「ドライ」と「冷房」って何が違うの? それぞれの仕組みや電気代、使い分けについて解説
エアコンの冷房とドライはどちらも部屋が涼しくなりますが、両者の機能はどのように異なるのでしょうか。使い分け方がいまひとつわからないという人もいるでしょう。 本記事では、冷房とドライの仕組みや電気代の違い、また両者をどのように使い分ければよいのか解説します。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
ドライと冷房の違い
ドライでも部屋の温度が下がるものが多いため、冷房ではなくドライを使っている人もいるのではないでしょうか。そもそも冷房とドライは何が違うのか解説します。 ■ドライの原理 ドライは部屋の空気を集めて熱交換器で温度を下げます。温度が下がると空気中に存在できる水分の量が減り、結露として水分が取り除かれる仕組みです。コップに部屋の空気よりも冷たい水を入れておくと、コップの周りの空気が冷やされてコップに水滴がつくのと同じで、水滴が除湿された水分です。 ■冷房の原理 冷房もドライと原理は同じで、熱交換器で部屋の空気の温度を下げます。ただし、冷房の場合はドライよりも強力に温度を下げる点が異なります。先ほどのコップに例えるなら、ドライはコップに空気よりも冷たい水を入れているだけでしたが、冷房はコップに氷水を入れて冷やすイメージです。 ■ドライと冷房の違い つまり、冷房とドライの動作原理は同じで、ドライは冷房を弱く作動させていると言い換えられるでしょう。 ただし、ドライは機種によっては一度冷やした空気をもう一度暖める「再熱除湿」方式を採用していることもあります。ちなみに従来のドライ機能は「弱冷房除湿」方式と呼ばれています。再熱除湿は部屋の温度が下がりすぎないため、弱冷房方式では寒く感じる人に適しているでしょう。
ドライと冷房で電気代はどれくらい違う?
冷房とドライの電気代はどのくらい違うのでしょうか。エアコンのカタログや説明書には冷房の消費電力は書かれているものの、ドライの消費電力は書かれていないことがほとんどです。 2002年に東京電力ホールディングス株式会社が行った試験では、1時間当たりの冷房のコストは11.0円、弱冷房除湿が4.1円、再熱除湿が14.9円でした。 20年以上前の試験であり、現在とはエアコンの性能や電気料金の単価が異なるため、この金額が今もそのまま当てはまるわけではありませんし、使用環境や設定温度によって必要な電力は異なります。しかし、電気代がかかるのは再熱除湿>冷房>弱冷房除湿の順番だと考えてよいでしょう。