「演じるうえで年齢や性別は意識していないかも」――朝ドラ“空さん”役で話題の40歳ボーダーレス俳優・新名基浩の動力は
芝居では「年齢も性別も意識していないかも」
『舞いあがれ!』の空さんだけでなく、昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では安達盛長の嫡男・安達景盛を、地下芸人の狂気を描いた映画『東京アディオス』(2019年)ではスケバンを演じるなど、年齢も性別も超越したボーダーレスな演技を持ち味としている新名。現実社会に対する複雑な思いは表現者としてのあり方にも影響を与えているようだ。
「男性が押さえつける、みたいな構図がどうも苦手で、昔から『男』があんまり得意じゃないというか。別に体育会系がどうのということではなく、なんかそういうのがちょっと……でも、自分にとって性別はあんまり関係ないんですよね。もちろん、役によってそれぞれ属性はあると思うんです。ここに生まれて、長男で、みたいなものはその役において存在しますけど、最近は性別とか年齢とか意識せずに演じている感じはします」 朝ドラは『ひよっこ』、『舞いあがれ!』に続き、次回作『らんまん』にも出演が決定している新名。改めて、最後に今年の抱負を聞いた。 「ちょっと待ってください、そういう尋ね方されたら、よっぽどのことしか言えないじゃないですか(笑)。でも、まずは自分を大切に、できる範囲で周りの人も大切に、ですかね。今、ふと思ったんですけど、東京ってお年寄りに席譲らないですよね、あれ何なんですかね? 厳しいですよね、子どもにも。電車とかで見かけるとめちゃくちゃ気になって、すごいそわそわしちゃって。かといって、でも僕がこれどうするの? えっ? みたいな感じになるし……もやもやします」
ーーーーーーー 新名基浩(にいな・もとひろ) 1982年、宮崎県出身。俳優。主な出演作は『宮本から君へ』『なつぞら』『鎌倉殿の13人』『舞いあがれ!』など。朝ドラの次回作『らんまん』も出演が決定。2月25日からはKAAT神奈川芸術劇場プロデュースの舞台『蜘蛛巣城』にも出演する