ユベントスの成長戦略に潜む矛盾【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
アニェッリ会長によればサポーターはいまや顧客
「サポーター」は「顧客」というアニェッリ会長の考え方は、冷酷だが現実的で的を射ている。(C) Getty Images
イタリアでは桁違いの売上高/企業価値を誇るユベントスだが、一方でウルトラス排除を決断したことでホームスタジアムからは熱気が失われている。このいわば「矛盾」した状況の中で、悲願のCL制覇を果たせるのか。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2019年11月7日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― 「ユベントスにとってこれが第2の『ゼロ年』になる」 10月24日のユベントス株主総会でアンドレア・アニェッリ会長は、自身のサッカー、そしてクラブ運営に関するビジョンを披瀝した。「クラブの活動は何よりもまずビジネスであり、サポーターはその顧客である」というのがそれだ。ピッチ上の勝利や栄光、選手や監督に関する話よりも、ずっと多くの時間をマネーとビジネスについての話に費やした。 実際、クラブは株主に
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