井上尚弥、ファイトマネーもモンスター級!アマゾンの次はサウジのオイルマネーか 日本で試合しネットで世界に?
■ 井上尚弥のファイトマネーはいくらか? この日の東京ドーム興行は、まさに井上効果で大成功に終わった。 チケットは、最高額が22万円で最安でも1万1000円。入場料収入は、これまで過去最高だったボクシング興行の2倍以上とされる。さらには、動画配信サービスのアマゾンプライムビデオが独占生配信し、その放映権料も日本で開催されたボクシングの試合では過去最高とされる。海外でも米国ではESPN+、英国ではスカイスポーツなどによって世界各国で生中継される一大イベントとなった。 無料テレビ視聴から有料ネット配信へ――。様々なコンテンツがこの流れに飲み込まれているなか、国内のプロボクシングも例外ではない。地上波中継からネット配信へと本格転換されたことで、放映権料は高騰し、その恩恵が選手にもたらされている。今回、井上が手にしたファイトマネーも10億円超との報道もある。 実際、海外メディアの報道では、スーパーバンタム級に階級を上げてからの井上は、2023年7月のWBC、WBOの世界戦(対スティーブン・フルトン)で約500万ドル(約7億7000万円)、同年12月の4団体統一戦は380万ドル(約5億8000万円)を手にしたとされる。今回の興行についても、共同プロモーターのトップランク社のエバン・コーン氏が自身のXで興行規模を2000万ドル(約30億8000万円)プラス」と投稿していた。 【関連記事】 2階級4団体統一を成し遂げた井上尚弥、タパレス善戦の理由と井上攻略の糸口 もちろん、それだけの価値が井上の戦いに認められているからこそであり、井上も試合前から「こんな素晴らしい環境とタイミングがそろった試合はまずない。エキサイティングした試合を見せたいと思う。その中で必ずKOに繋げて、勝つ姿を皆さんに見ていただきたいと思う」と意気込みを語り、実際に有言実行した。
■ サウジのオイルマネーが井上尚弥を狙う 井上は2022年6月、リング誌の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド」(全階級のボクサーの実力を、体重差がなかったと仮定して比較したランキング)で、日本人初の1位になる快挙を達成。その後にバンタム級とスーパーバンタム級でいずれも4団体統一の世界王者に輝いた。 いまや、その動向は世界のボクシング界が注目している。そんな中で浮上しているのが、国外での世界タイトルマッチの開催だ。 気になる今後の戦いについて、来日中のトップランク社のボブ・アラムCEO(最高経営責任者)は5月4日、横浜市内で開催された記者会見後、メディアの取材に応じて「サウジアラビアは常にトップボクサーを求めている。(年内に、井上陣営に)オファーがあるかもしれない。金額、時期は(井上が所属するジムの)大橋(秀行)会長が検討することで」と話した。その一方で、「私の視点からいうと、日本以外で井上の試合はありえない」と語った。 【関連記事】 4団体王座統一をかけてタパレスと戦う井上尚弥、どこまで強くなるのか? 実はアラムCEOは、昨年末にタパレス戦で来日した際に「(昨年)10月にサウジアラビアを訪れた時に、スポーツエンターテインメント部門のトップにお会いすると、開口一番に『井上の試合をサウジアラビアでできないか』と言われた」と打ち明けた。 サウジアラビアの潤沢なオイルマネーなら、ビッグマッチの実現性も現実味を帯びる――。日本メディアもサウジ開催を念頭に置いた取材を行うようになり、大橋会長も昨年末に「来年(24年)以降なら・・・サウジラビアもありますよ」と含みを持たせた。 今回のアラムCEOの話しぶりは、その時点からは消極的な姿勢に転換したように映るが、それは井上の世界的な価値が変動したわけではない。 アラムCEOの言葉の裏にある真意――。それは、井上の存在によって、ボクシングの軽量級にとって、「日本国内」での興行こそが価値を最大化できるということだ。