石川遼は好調パットも鳴りを潜め「苦しい流れ」 最終日に目指す“大人のゴルフ”
<ANAオープン 3日目◇14日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72> あれは3年前 石川遼のクラブが真っ二つ【写真】 石川遼の3日目は4バーディ・2ボギーの「70」。トータル6アンダー・35位タイで最終日を迎えることとなる。 10番からティオフすると、しばらくパーを並べる静かな前半戦となった。パーオンはするものの長いバーディパットを打ち続け、2パットのパーが続く展開。前半最後の18番でようやくバーディが来たが、後半は3バーディ・2ボギーと大きく伸ばすことはできず、3日連続『70』のラウンドで競技を終えた。 初日から「パットはいい」と話しており、ここまではパットでスコアメークをしていたが、その好調さもきょうは鳴りを潜めた。「タッチが合わなかった。15メートルくらいのパットをたくさん打ちました。5メートル以内につくようなバーディパットはほぼなかったので、ちょっと苦しい流れではありました」と唇をかんだ。 さらに、変化するコースコンディションにも手を焼いた。「(後半では)グリーンもフェアウェイも硬くなってきた。フェアウェイキープも難しくなって、ラフからピンを狙えないピンポジションも多かったので、きょうはタフだった。アイアンがもうちょっと近くにつけられる回数が多ければ良かったのですが、12~3メートル残ることが多かったので、そこで3パットも2回してしまいました。最終ホールのイーグルパットが3.5メートルくらいだったんですが、それがきょう一番近かった感じでした」と振り返った。 9月17日に33歳の誕生日を迎える石川は、「少しは大人なゴルフをしたいんですけど」とポツリ。ただ、3日目の17番ではその言葉通り“大人の選択”をする場面も見られた。 左ドッグレッグのパー5。2オンを狙うのであればフェアウェイの右に置き、左の林の上を打つのがセオリーだ。石川はしっかりと右サイドに運んだが、ライはつま先上がり、左足下がりだった。 いったんはユーティリティを握って2オンを狙おうとしたが、クラブを持ち替え“刻み”を選択した。「手前の林は越えるライではあったんですが、奥の林を越えるためには230ヤードくらい必要で。4番ユーティリティで打つつもりだったんですが、かなりうまく行っても220ヤードくらいのキャリーで、ラインもすごく狭くて。きょうの右奥のピンなら左に外すのが理想なので、そうなると超えなきゃいけない林が遠ざかる」。攻めの姿勢を見せたが、しっかりマネジメント。大人のゴルフの一端がうかがえた。 あす、32歳最後のラウンドでも“大人のゴルフ”を見せるのか。50回の節目を迎える伝統の一戦だけに、納得の形で終えたいところだ。(文・齊藤啓介)