“アパレル正社員”の道を選んだカリスマインフルエンサー 加藤愛里が「ティーナ:ジョジュン」で描く夢
WWD:例えばインフルエンサーとしての活動をメインにしつつ、業務委託でブランド運営に携わる選択肢もあったのではないでしょうか。
加藤:「インフルエンサーブランド」ではなく、しっかりと服として見てもらえるモノ作りをしたいと思ったのが1番の理由です。それに個人事業主だと、自分の性格的に「今後どうしよう」「大丈夫かな」と心配ごとで頭がいっぱいになってしまうので(笑)。学生の頃からブランドをやりたい!とSNSで公言していたので、たくさんの会社からお声がけいただきました。その中で、「自分の作りたいものが本当に作れるのか?」ということを軸に会社(シライ)を選びました。当社はウィメンズファッションを扱う自社ECサイト「ジョイントスペース(JOINT SPACE)」を運営しています。自社でアパレル商品の企画・製造・販売まで一貫できる体制があるのが決め手でしたね。
WWD::社員としての働き方は?
加藤:ガッツリ週5で働いています。シーズンのコンセプト決めはもちろん、服のデザインからSNS・展示会に関することまで全て関わります。インスタグラムのフィード投稿のトップは「ティーナ」の世界観が一番伝わるようにしたいですし、私にしかできないクリエイティブ。写真撮影を自分ですることもあります。「ティーナ」の世界観を表現するための仕事は、基本的に全部自分が関わっています。逆に、インフルエンサーとしての活動は合間を縫ってやる程度になってしまっていて、ユーチューブの更新も年に3回とかになっちゃっています。
WWD:一番大変な仕事は何ですか?
加藤:デザインですね。トップスの柄はイラレで制作して、オリジナルの柄を1人で作ることもあります。「どっからどう見てもあいりちゃんが作ったでしょ!」みたいなものを作ることがこだわりです。世の中のトレンドを意識しすぎて、「みんなこういうものが好きだよね」という服を作ってた時期もありました。その時は、今よりもっときれいめの服が多かったです。その時はSNSフォロワーも伸び悩んでいて。何がダメなんだろうと考えたとき、今の「ティーナ」の服を自分が着たいかと考えたら「自分らしくない」「違うな」と気がついたんです。2023年秋冬のタイミングで、世の中のニーズを一旦考えないようにして、自分が本当に着たい服だけを作りました。展示会の反応も良くなり、SNS発信の方向性も変えたことでフォロワーがまた一気に伸びました。