悪質な客は『氏名公表』も…全国初のカスハラ防止条例案に地元から賛否「直らないなら」「そこまでするか」
客からの理不尽な要求や迷惑行為などの『カスタマーハラスメント』を防止するため、三重県桑名市は12月4日、悪質な客の「氏名公表」を含んだ全国初の条例案を市議会に提出しました。氏名公表をめぐっては、市民から様々な意見が上がっています。
■警告の上で繰り返したら「氏名公表」へ
三重県の桑名市議会で4日、伊藤徳宇市長が全国初の「氏名の公表」を含むカスハラ防止条例案を提案しました。 桑名市の伊藤徳宇市長: 「従業員が安心して働ける環境を確保し、条例を制定するものでございます」
条例案では、市内の店舗に勤める従業員などを対象に、市が「カスハラの相談窓口」を設置します。
弁護士など有識者らでつくる対策委員会が、悪質と判断した場合は「警告」をし、それでも繰り返されたらホームページなどで名前を公表する「制裁措置」をするとしています。
■可決されれば25年4月から施行 市民の意見は
カスハラ条例案について市民に話を聞くと、多くの人が「賛成」とこたえました。
接客業: 「理不尽に謝らなくてはいけないことって結構多いので、そういうのをやってくれるんだと」 街の人: 「言っても直らないなら仕方ないですよね。何か新しいことをしようとする動きはいいんじゃないですか」 しかし、氏名公表については様々な意見が聞かれました。 街の人: 「氏名を出すかぁ。ちょっと…どうなんだろう。そこまでするかなっていう感じ」 別の人: 「氏名を出すってよっぽどひどい場合でないと、その人に反省を促す方が一番なんでしょうけど、でもそういう人ってなかなか直らないんじゃないかな」 地元の人と繋がりが深い店では、「商店街のような付き合い方」が解決方法の1つなのでは、と話します。
貝新フーズの伊藤雅一社長: 「ちょっと間違えとっても『そりゃ人間やでしゃあない』と。お互い人間同士で、持ちつ持たれつという言葉がありますから、そういうのを大事にしていただいて」 カスハラは、今もなお後を絶ちません。桑名市議会では、12月25日に条例案を採決する予定です。可決されれば、2025年4月1日から施行されるということです。