笑顔でホールアウトする政田夢乃（左、撮影・会津　智海）

　◇女子ゴルフツアー　伊藤園レディース第1日（2024年11月8日　千葉県　グレートアイランドC＝6769ヤード、パー72） 　プロ1年目の政田夢乃（24＝なないろ生命）が1イーグル、6バーディーで自己ベストを2打更新する64をマークし、8アンダーで自身初の単独首位スタートを切った。現在のメルセデスランクは60位。同51位までのシード圏内突入はもちろん、ツアー初優勝を目指す。年間女王争いではメルセデスランクトップの竹田麗央（21＝ヤマエグループHD）が4オーバーの88位と出遅れ、同2位で2年連続女王の山下美夢有（23＝加賀電子）は3アンダーの16位につけた。 　初めて臨んだ公式会見になった。会見場を後にする時、プロ1年目の政田は「プレーよりも緊張した～」とはにかんだ。それもそのはず。自己ベストの64をマークし、初めての単独首位発進なのだから。「ツアーに出てからの自己ベストになったので凄くうれしい」とかれんな声で言った。 　正確なショットを武器とする24歳。インから出て12番でバーディーを先行させると、続く13番パー5では残り80ヤードの第3打を50度でカップに放り込み、プロ初イーグルを奪う。17番でもガードバンカーから直接沈めるなど持ち味を発揮した。試合に出られなかった前週、拠点を置く千葉でショットを調整。スイング時にクラブが「アウトめに上がっていた」と気がつき修正した効果が早速、表れた。 　今季はQTランク147位からはい上がった。下部ツアーが主戦場だったが、主催者推薦で出場した5月のレギュラーツアー初戦で8位に入るなどポイントを重ねて出場機会をつかんだ。そして5度目でプロテストを突破した苦労人でもある。前週に行われたプロテストでは、合格を果たした仲の良い手束雅（23）の戦いを動画配信で見て勇気をもらったという。 　今の目標は初シードを獲得すること。現在のメルセデスランクは60位。シード圏内の同51位（ツアー撤退表明の上田桃子を除く）までに入るには、今大会3位以上が目安となる。当然、初優勝となれば最高のシナリオ。このコースで行われた20年大会でベストアマを獲得し、昨年の新人戦で4位に入った。今季ここまでルーキーの優勝者はいないが、舞台との相性の良さも、ニューヒロイン誕生を予感させる。