オウンゴール明暗 アンプティサッカー日本選手権 田嶋会長「球際すごい」
そのまま10分ハーフの延長戦へ。疲労に加え暑さも重なり、両チーム足が止まる。限界ぎりぎりの勝負を分けたのは、無情にもオウンゴールだった。後半3分、エンヒッキのCK。ゴールに向かって曲がる速いボールを、加藤誠が頭でクリアしようとするが、ネットに吸い込まれた。 九州は気持ちを立て直しゴール前に迫るが、最後までアウボラーダGKの長野哲也がファインセーブを連発。特にヘディングなど、ダイレクトのシュートへの反応は圧巻だった。終了間際にはエンヒッキの「最後の最後のエネルギーを振り絞った」ドリブル突破からのシュートも決まり、3-1。アウボラーダが2大会ぶりの日本一奪還を果たした。
実力証明、エンヒッキMVP
決勝の全得点に絡んだエンヒッキが大会MVPに。JFA田嶋会長は、日本障がい者サッカー連盟の設立発表会見を振り返り、「ヒッキがJFAで『ここに300人いる中で、サッカーが一番うまいのは自分』と言った、それを本当に証明した」とたたえた。 田嶋会長は競技の魅力についても言及。「片脚がないことへのハンディは感じられない。つえを使うことによってプレーイングディスタンスが広がったり、ターンがうまくできたりとか、むしろ片脚だからできることが多いと感じた。球際(の激しさ)もすごいよね。サッカー協会の一員になってくれたことを、改めて感謝したい」と語った。