全日本合唱コン高校部門 会津「金」 安積黎明と郡山「銀」 福島県勢、特別賞に届かず
第77回全日本合唱コンクール全国大会は26日、さいたま市のソニックシティで開幕し、初日は高校部門を行った。福島県からBグループ(33人以上)に出場した会津は金賞、Aグループ(6人以上32人以下)の安積黎明とBグループの郡山はともに銀賞だった。各グループ上位3校に贈られる特別賞の受賞はなかった。県勢が特別賞に届かなかったのは1977(昭和52)年以来。 会津は14大会連続25度目の出場、金賞は13大会連続17度目。課題曲「この船の行く先で」(村本晋也作曲)、自由曲「混声合唱とピアノのための『大地の踊り』」(ピエール・ルヴェルディ作詩、佐々木洋訳詩、宮本正太郎作曲)を響かせた。 安積黎明は5大会連続48度目の出場。課題曲「ねむの花」(中田喜直作曲)、自由曲「女声合唱とピアノのための『緑色の透視』」(左川ちか作詩、鈴木輝昭作曲)を披露した。 郡山の出場は12大会連続13度目。課題曲「Deep River」(ブライアン・トラント編曲)、自由曲「混声合唱のための『地球へのバラード』から『Ⅳ 夕暮』」(谷川俊太郎作詩、三善晃作曲)を歌った。
大会は全日本合唱連盟などの主催。Aグループに14校、Bグループに16校が出場した。1位相当の金賞・文部科学大臣賞はAが清泉女学院(神奈川県)、Bが松山女(埼玉県)だった。 27日は中学校部門の混声と同声を行う。福島県から混声に郡山一、同声に郡山七、若松四、大槻が臨む。 ■反戦の思い込める 会津・上野部長「全力出し切れた」 会津は目標だった1位相当の文部科学大臣賞は逃したが、46人が反戦の思いを込めて詩の世界を歌声で表現し、金賞常連校の力を見せた。上野碧葉部長(3年)は「悔しいが全力は出し切れた」と胸を張った。 2週間前にNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)全国コンクールを終えたばかりで、短い準備期間となった。Nコンで目標の金賞を逃し、気持ちの切り替えは難しかったが、上野部長を中心に次の大舞台への思いをつないできた。 スピード感ある歌い出しで始まる自由曲は、第2次世界大戦中に書かれた詩を部員一人一人が解釈し、イメージを共有。フレーズのつながりや楽譜に記載のない発声法まで磨き、映像が思い浮かぶよう歌唱を徹底した。