「もっとオープンな形で性の問題を」山口百恵(当時21歳)は鋭い発言…“女子中学生の妊娠”に驚愕、『金八先生』第1作が広げた波紋
当事者を演じた二人は「産むことは選ばない」
10代の女性向けの週刊誌でも、翌1980年2月22日放送の第18回で雪乃が出産したのち、生徒役の出演者、また若手芸能人から感想や意見を集めて記事が組まれた(『セブンティーン』1980年3月1日号)。そこでは、杉田かおるが《実際に15歳だったら、子ども産んじゃいけないと思う》、鶴見辰吾が《15歳という年齢は責任の重大さに耐えられる年じゃないですよね。だから自分がそうなったとしたら、産ませないでしょうね》と、当事者を演じた二人が、意外というべきか、自分が現実に役と同じ立場に置かれたら産むことは選ばないとそろって答えている。
当時21歳の山口百恵が寄せたコメントは…
ほかの生徒役にも二人と同様の意見が多いなか、安恵美智子役の小林聡美が《相手の男性をホントに好きだったら産みます。それだけのかくごはあります》、山田麗子役の三原順子(現・じゅん子)が《ぜったいにおろしません。わたしも浅井雪乃さんのように産みます。/もちろん高校に進学などせず、家にずっととじこもりっぱなしになって、育てると思います》と答えているのが目を引く。 当時人気絶頂にあった歌手の山口百恵も、中学3年の妹とこの放送を見たという。誌面に寄せたコメントでは、《相手の男性がどう考えてるかによって、まるっきり解決方法はちがってしまうと思います。/ただ、ひとつの生命なのだから、たとえ偶然にできたとしても、かんたんにおろせばいいなんてことは、ぜったいにイヤですね。/勝手に命を消してしまってもいい、なんて権利は人間にはないと思うから》と語るとともに、《もっとオープンな形で性の問題を語りあったりする場所があってもいいんじゃないでしょうか》、《子どもをやしなう能力のない未成年が、子どもを作ってはいけないんだということをおとなはもっと教えるべきです》とも提言していた(同上)。 山口は当時21歳。この年(1980年)秋に結婚する三浦友和と交際宣言してまもない頃だけに、ドラマのなかで教師たちが愛を説く場面には色々と思うところもあったのだろう。そのしっかりとした考えに驚かされる。 ちなみに「十五歳の母」3部作の視聴率は、第4回は19.6%、第5回は17.9%、そして第6回は18.4%とけっして高くはなかった。のちに第1シリーズと呼ばれるこのときの『金八先生』の平均視聴率は24.4%とはいえ、それは後半、回を追うごとに視聴率が上がったからであり、始まった当初は20%になかなか達しなかった(古沢保『3年B組金八先生 卒業アルバム 桜中学20年の歩み』同文書院、2000年)。
【関連記事】
- 【つづきを読む】「15歳の少年少女に性行為を認めさせなければ…」『金八先生』で描かれた“女子中学生の出産”「命を削って書いた」ドラマの現場で起きていたこと《視聴率39%超》
- 【もっと読む】「事務所が倒産、借金返済のため仕事は選んでいられなかった」当時15歳の杉田かおるが妊娠・出産を…“伝説のドラマ”が残した衝撃のゆくえ
- 【画像】「もっとオープンな形で性の話題を」小首をかしげてアンニュイな表情で…ただならぬオーラを放つ引退前の山口百恵
- 7歳年下のトップアイドルと結婚…三浦友和72歳が「いい女房を選んだなとしみじみと感じた」時期とは?
- 和服での激しい絡みでヌードを披露、“体重150キロ超”の教祖と結婚…若村麻由美56歳の波乱万丈