栗田アナウンサーが「学校教育の今」を取材 静岡県の公立小学校でもICTを活用した授業が盛んにおこなわれている
今や私たちの生活に欠かせなくなったスマートフォンやタブレット端末ですが、静岡県の公立の小学校でも頻繁に活用されています。昭和や平成世代からは想像もできない“学校教育の今”を取材しました。 ◆栗田麻理アナウンサー: 「2年生の算数の授業です。児童の手元にはひとり1台タブレットがあり、このタブレットを使った授業が定着してきました」 パソコンやスマートフォンが普及した今、学校教育の現場でもタブレットなどの「学習用端末」を、積極的に授業で活用しています。 ◆掛川市立横須賀小学校 川又政哉 先生: 「じゃあトリオ(3人グループ)で話して勉強の仕方を考えて取り組んでみましょう。では始めてください」 静岡県内の小学校で4年前から始まった「1人1台端末」という教育方針。これによって掛川市でも市内すべての小中学校でタブレット端末を導入しました。 ◆児童: Q:タブレットを使って難しいことは? 「ありません。使いこなしているから」 児童たちは生まれた時にはすでにスマートフォンが世の中に広まっていた世代。タブレットの扱いにも慣れています。 ◆児童:「黒板に書いて発表するから」 ◆児童:「タブレットの方が(文字の)大きさの調整ができて楽だから」 この授業では、問題をタブレットから出題。クラス全員が3人1組になって共通の問題を解き、タブレットやノート、黒板など、解答方法は自分たちで決めます。 ◆掛川市立横須賀小学校 川又政哉 先生: 「画面で取り組むのがわかりやすい子もいれば、話しながら取り組んでひとつの成果物を先生に伝えたい子もいるのでそれぞれ考えて取り組んでくれればと思う」 3人1組で問題を解いたあとは、自分1人で先生が用意した問題にチャレンジしたり、動画で過去の問題を復習。この進め方も児童たちが決めます。 解答は先生のタブレットに集められ、授業のあと、児童にフィードバックされる仕組みです。 ◆児童:「先生の問題できた」 ◆児童:「楽しいなあ、これ」「じゃあ次いくよ」 ◆掛川市立横須賀小学校 川又政哉 先生: 「授業でみんなと考えた続きをやりたいのか、自分で選んでそこだけを一人で集中してやりたいのか、そういった学習の機会をあたえることも大事かと思う」 タブレットで使用しているのは「ミライシード」というソフト。通信教育や出版を手掛けるベネッセが開発しました。まだまだICT教育の分野ではノウハウが少ない小学校教育。民間企業のアイディアを取り入れることで 児童一人ひとりが主体的に学習できるようにしたい、という狙いがあります。 ◆ベネッセコーポレーション 名古屋支社 相武貴志支社長: 「ICTを使うことで個別状況に合わせた学び方、個別の理解状況に合わせた演習のやり方が可能になってきている。ミライシードを通して子供たちの学び、先生方の授業が少しずつ変わってきていることは非常にうれしい」 学校側も“児童が自分たちで課題を見つけて、やりやすい勉強の方法を常に考えてほしい“と話します。 ◆掛川市立横須賀小学校 川又政哉 先生: 「教科書だと問題量がすごく多くて、どの問題を子供に出そうかこちら側が選んで与えることができないが、タブレットでこちらが選んだ問題をつくってあげたりすることで子供たちが取り組みやすくなると実感」