【三菱UFJ銀行】女性行員なぜ見つからずに?貸金庫窃盗 「性悪説」で守ってきた銀行の安全神話揺らぐ そもそも貸金庫ってどんなもの?様々なタイプがあった【MBSニュース解説】
三菱UFJ銀行の元女性行員が、貸金庫から顧客の金品などを盗んでいたとされる問題、被害額は十数億円という驚きの金額も出てきています。銀行トップの半沢頭取は記者会見で、「銀行の信用・信頼を根底から揺るがすもの」と謝罪しました。 【写真を見る】審査次第で誰でも1.6万円~利用可能な「貸金庫」とは? 安全だと思われていた銀行で起きた事態に、元銀行員の金融ライターは「仕組みを考えるとできる。逆に今までなんで起きていなかったんだろう」と話しました。貸金庫の種類や防犯の仕組み、我々が銀行について知っておくべきポイントをまとめました。
銀行の安全は「性悪説」で守られている
知っていましたか、銀行の安全は「性悪説」で成り立っている。つまり、人間の本性は悪いものなんだ、銀行員も悪いことをするかもしれない、と考えたうえでセキュリティ対策を何重も行っています。 銀行員はこんなに疑われいるのか、というほど。毎日のようにカバンの中を抜き打ちチェックされたり、本部監査部からの抜き打ち検査など、性悪説に基づく日常的なチェックが行われています。 また銀行は毎日午後3時に閉まりますが、その後は当日朝から午後3時までの取引で、1円でもズレがなかったか、ということを計算して、1円でもズレていたらズレがなくなるまで帰れない。間違いを特定して、もしお釣りを多く返してしまった場合などは、その人の家まで行って頭を下げ、誤差を修正するということを毎日も行っているほど、入念なチェックを行っているということです。
1.6万円~利用可能な「貸金庫」
貸金庫は、銀行内に戸棚のように鍵付きで並んでいて、そこを有料で貸し出すサービスです。審査に通れば誰でも利用可能で、多くの方が不動産の権利書・保険証書、遺言書や宝石などを入れたりしているようです。 現金を入れるのは推奨していませんが、実際何を入れているのかはプライバシーの観点から銀行員も把握していません。年間利用料は約1.6万円~3万円です。(腐るものはダメとか一定のルールはあります)
貸金庫は「自動型」と「一般型」の2種類 今回開いたのは旧式
元銀行員で金融ライターの椿慧理さんによりますと、貸金庫は新型の「自動型」と、旧式の「一般型」のおおむね2種類に分かれているといいます。 自動型は、まず貸金庫室に入るためにカードキーが必要です。貸金庫室に入ったあとも指紋などの生体認証で本人確認が必要になります。貸金庫は契約した本人しか利用できず、配偶者や親子でも基本的には利用できません。※代理人登録などを行うと利用可能 室内で自分の貸金庫を呼び出して、他の人の貸金庫は見ることもできない、触ることもできないというタイプもあれば、半自動で、貸金庫がずらり並んでいるけれども、自分の貸金庫の番号だけ操作できるタイプもあるそうです。そして最後に自分で持っている鍵でこれを開けることができます。貸金庫室には1人づつしか入ることはできませんし、銀行員も介入できません。