【三菱UFJ銀行】女性行員なぜ見つからずに?貸金庫窃盗 「性悪説」で守ってきた銀行の安全神話揺らぐ そもそも貸金庫ってどんなもの?様々なタイプがあった【MBSニュース解説】
窃盗が行われた「一般型」銀行で保管した副鍵が悪用か
もう一つが「一般型」少し古いタイプのものです。こちらは受付簿に名前と届け出印を出すことで本人確認をします。その後、銀行側が鍵を開けて、中に入ることができます。 金庫を開けるには、自分の鍵と銀行の鍵を合わせて、同時に開くようになっています。ただ、自分の鍵については、なくしてしまうリスクがあるため、スペアキー(副鍵)を用意して、銀行が保管しているといいます。 副鍵の保管方法は、勝手に開けられないように封筒に入れて、自分の届けた割印と、銀行側の封緘印をして、預かります。さらに副鍵が入った封筒は金庫に保管し、ICカードが無いと出せないようにし、記録が残るように何重にもセキュリティを重ねて保管しています。 それほどの体制の中、今回なぜ起きたのか・・激震が起きた理由は。
窃盗した行員は支店長代理 役職のため窃盗できたか
盗むことができた一番のポイントは元行員の役職です。女性は支店長代理で、支店のNo.3かNo.4ぐらいの立場、抜き打ちチェックが入ったときには、チェックに立ち会うようなポジションでした。 つまり、どういうチェックを行っているかを確認することができる役職にいたそうで、逆にチェックの抜け道もわかりうる立場だったということです。 専門家は、副鍵の入った封筒について、・きれいにはがして戻したか、・印のチェックが厳密ではなかったか、どちらかの手口ではないかとみています。 会見した三菱UFJ銀行は、チェック体制が少し甘くなっていたところはあるとし、今後の対策として、複数人でのチェックを徹底しようとしています。副鍵については、各支店にあったものを本部で一括管理するような対策も発表しています。安全のためには銀行員が介入しない自動型貸金庫が望ましいのですが、高額なコストが必要です。 専門家によりますと、そもそも「貸金庫業務は儲からない」といいますが、何のためやっているかというと、富裕層を囲い込むためです。そこにコストはかけたくないというのが本音のようですが、信頼性を担保するためにどうバランスをとっていくのかが、今後の課題となっています。