起業は冒険と同じ!…「大航海時代の探検家」と現代の「起業家」に共通する「3つの分類」を企業経営に活かす方法
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第6回 『世界を変える「アントレプレナーシップ」…アメリカの大学で経営を教える日本人が語る絶対に持つべき「変革する力」の正体』より続く
大航海時代を生きたアントレプレナーたち
十数年も大学で起業家教育をしていて、たどり着いた「アントレプレナーシップ」の概念が「探検」というのも、少し物足りない気もしますのでもう少し考えてみましょう。 大航海時代をイメージしてみてください。多くの探検家がヨーロッパから船で旅立ちました。地球は丸いらしい。ヨーロッパから見て東にあるインドは魅力的な土地だがアフリカ大陸を大回りしなければならない。とてつもなく時間がかかる。 この課題を解決するのは、まさに世界を見る目を変えることだったでしょう。 地中海から紅海に抜けるスエズ運河ができるのは19世紀ですが、この工事は大航海時代から続く「いかにインド洋に早く抜けるか」を実現する事業であり、実際、スエズ運河は世界の海運を劇的に変えています。 ですが、大航海時代、それほどの土木工事技術はまだありませんでした。まだ見ぬ世界に船を漕ぎだす、これは世界への挑戦であり、探検であり、まさにアントレプレナーシップを持つ人たち、そのものだったでしょう。純粋にまだ見ぬ世界に憧れた人、そこから生まれる富に興味があった人など、そのビジョンはさまざまでしょうが、どれも素晴らしい起業家精神の持ち主に違いはないのです。
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