妻の最大のストレスは『夫の存在』…配偶者が「生理的にムリ」になったときの対処法をカウンセラーが伝授
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第7回 『コロナ禍以降、離婚相談が急増中!「夫のリモートワーク」がきっかけで離婚する夫婦の《共通点》とは』より続く
「ささいなこと」ほど厄介で根深い
実は、「一見ささいな感覚・価値観の違い」こそ、夫婦間においてもっとも厄介で根深い問題だったりします。 連載第1回でご紹介した「15分に一度ジュースを飲みに来る夫」のケースでは、そのくらいは「ささいなこと」だから、我慢すればいいのに、と部外者には見えるわけですが、「ささいなこと」ほど、「カチン」とくるのです。 一見「ささいなこと」でも、当事者にとってはどうにも我慢できないほど嫌で、切実な問題という場合も非常に多く、離婚の原因になってしまうことも多いのです。
「夫がいること自体」がストレス
以前、長住哲雄さんとの共著で『まだ、僕の妻でいてくれますか?』(グラフ社)という本を出版しました。この中で、既婚女性を対象にしたアンケート調査の結果を紹介しています。 既婚女性が自分のストレス源としてあげた第1位は「夫のこと」。第2位も「夫の家族」と、夫関連です。 「夫のどういうところをストレスと感じているか」と聞いたところ、第1位は「夫がいること自体」と、身も蓋もありません。 第2位は「夫の言動」。以下、第3位「夫の仕事の問題」、第4位「自分の親と夫の関係」と続きます。 また「夫の言動」を細かく見てみると、第1位「ちょっとしたクセ、習慣、生理的なこと」、第2位「いろんなことに口出し・干渉する」、第3位「人にいばる、批判する」、第4位「何もしてくれない」、第5位「金遣い・浪費グセ」という結果でした。 「ちょっとしたクセ、習慣、生理的なこと」は、人間関係においてもっとも妥協しにくい「切実な問題」です。 むしろ、「家を買うべきか」「子どもをどの学校に入れるか」といった、一見モメそうな大きなテーマのほうが、折り合いをつけられるもので、離婚の原因には滅多になりません。