「何かやばい病気かも……」いつもと違う「肩こり」で女性が抱いた“嫌な予感” たかが肩の痛みと“あなどってはいけない”ワケ
夜間に症状が出た場合は、鈴木さんのケースのように救急外来を受診してもらって構わない。だが、菊池医師は「その際は気をつけたほうがいい点がある」と言及する。 「発症直後はCT画像に異常がはっきりと表れないことがあるからです。また、病原菌の勢いが強い初期は、抗菌薬や痛み止めを点滴しても、すぐには効かないことが珍しくないです」 鈴木さんが救急で受診をした病院では詳しい検査をしても、明らかな病気がわからなかったのも、こうしたことが背景にあると考えられる。
腎盂腎炎は症状が出たときに速やかに受診し、適切な治療をすれば完治する病気だ。決して怖い病気ではない。炎症がひどかったり、高熱が4日ぐらい続いたりしている場合を除き、今は、通院で治療可能なケースが多いという。 とはいえ、繰り返し腎盂腎炎を起こしてしまう人もいる。 菊池医師は予防策として、「排泄時に清潔を保つ」ほか、「水を多めに飲む」「睡眠・栄養をしっかりとるなど、生活習慣に気をつける」ことを挙げる。「生活習慣の乱れは軽視できません。免疫力が低下すると、細菌感染もしやすくなります」。
菊池 大和 :きくち総合診療クリニック/狩生 聖子 :医療ライター