フレッシュネス知られざる「アボカド10年」の真価 今年で10年目を迎えた、春恒例の限定メニュー
このように、アボカドという武器を持っているフレッシュネスではあるが、ブランドについてあまり知られていないのが残念なところだった。 しかしその状況にも、変化が訪れているようだ。 きっかけは、2023年の夏、人気バラエティ番組で取り上げられたことだ。放映後1~2週間は客が通常の1.3倍になったという。中には「フレッシュネスを知らなかった」という客もいた。 結果、2023年の売上高は前年比150%になった。
なお、売上増には、逆説的ではあるが物価の上昇も関係しているかもしれない。 大人のチェーンであるフレッシュネスはもともと客単価が1000円(物価上昇前は900円)と少し高め。しかしこのところ、各バーガーチェーンも価格が上がってきており、フレッシュネスとあまり変わらなくなっている。価格を理由に利用しなかった客層も利用しやすくなったのではないだろうか。 ■自由に使える調味料をリニューアル また、2022年の30周年を機に、ブランディングを見直していることも、「これまでと違うフレッシュネス」の理由となっている。
例えば、「ワールドスパイス」の進化だ。ワールドスパイスとは、店舗にケチャップやマスタード、塩胡椒、ビネガーといった調味料が備えられ、自由に使えるという、いかにもアメリカンなサービス。以前からあったものの、「ワールド」というには種類に偏りがあり、また扱っていない店舗もあるなど、サービスとして徹底されていなかった。 しかし2023年1月から、ブランドの魅力としてしっかり伝えていくために、「ワールド」の名称にふさわしくリニューアルが行われた。現在、国籍も豊かな9種類のスパイスが、どの店舗にも常備されている。
流行りの「味変」が可能なため、SNSの話題にもなりやすく、「次はあのスパイスを使ってみたい」などのリピート動機にもなる。この強みを、なぜ今まで生かさなかったのかと不思議に思える。 ■ランチ以外の需要を獲得 コンセプトである「バーガーカフェチェーン」の訴求も強化し始めた。コーヒーのリニューアルを行い、ドリンクの種類を拡大。154店舗中、104店舗と現在は限られているが、今後全店で展開する予定だそうだ。チュロスなど、スイーツの提供も開始した。