日本のトヨタから世界のトヨタに 世界が震撼、初代プリウス
初代プリウスは遅かった
私が初めて初代プリウスを運転したのは、当然ながら社用車で、トータルで言えば3万kmは乗ったのではないだろうか。初めて乗った印象は「遅い!!」。今でこそクルマは速さじゃない、という感覚が身に着いたが、当時は速いことが正義というよりも、速くて当たり前だった。 そんな状況ゆえ、クルマ好きの間では前述のとおり話題にもならなかった。私なんてあまり興味がないくせに、燃費がいいと絶賛されているプリウスに敵対心を抱き、乗っている人を見ると、『偽善者』とまで言い放っていた(←反省)。 ただ、生まれて初めて経験したモーター走行、アイドリングストップには感激。 それからセールスポイントの燃費。街中では13~14km/L、高速道路とトータルでは20km/Lをコンスタントにマーク。燃費はドライバーによって大きく変わるというのが一般的だが、初代プリウスは人を選ばず高燃費をマークできたのが特筆だった。
走行性能はイマイチ!?
初代プリウスが画期的なのは誰もが認めるが、走りに関しては速い、遅いは別としても未完成な部分が多かったのも事実だ。 その最たるものがブレーキで、ブレーキをかけると止まる直前で巻き込むような挙動となるいわゆるカックンブレーキでフィーリングがすこぶる悪い。それから乗り心地。特にリアの突き上げの大きさはロングドライブには不向きだった。この乗り心地に関しては、2代目、3代目で大ヒットしたが、3代目くらいまでほめられたものではなかったと思う。
ホンダが対抗するも駆逐
初代プリウスにいち早く対抗したのがホンダで、 シビックハイブリッド 、初代インサイトと続けてホンダ独自のIMAというハイブリッド方式を登場させた。初代インサイトは、当時世界最高燃費を謡っただけあって初代プリウスの燃費を凌駕したが、オールアルミボディ&2シーターで軽量化、超空力ボディの3ドアクーペスタイルという燃費スペシャル。コンパクトだが4ドアセダンで実用性を備えていたプリウスの敵にはならなかった。 一方のシビックハイブリッドに関しては、燃費性能でプリウスに大きく引き離されていたため、こちらも相手にならず。