パナソニックがカスタムカーの祭典に参加! しかも展示スペースは前年比5倍! 何が目的?
大きな画面でスポーツを観戦したり、Web会議モニターとして打ち合わせの資料を投影したりすることができる。ディスプレイは透過型となっているため、利用していないときは、運転席から後方を見る際の視界を遮る心配もない。利便性と安全性を両立したシステムだ。非可聴音を再現する臨場感のある3Dハイレゾリューション対応のサウンドシステムも組み合わされているとのことだから、幅広い映像コンテンツが楽しめそうだ。 そのほか、リラックス、やる気、集中などに効果が期待できる3種類のアロマや、気分や雰囲気によって色調や調光などを制御・変更できるライティングシステムも採用されている。
オフモは「美容」「睡眠」「音楽」の3つをコンセプトとする多目的移動式トレーラーハウス。ハウス内で化粧品を試したり、快適な仮眠を体験したり、プライベート空間でエンタメが堪能できたりするトレーラーハウスで、移動が容易でどこにでも設置可能なマルチパーパスルームとして提案する。
■それで…商品化は可能なの? ラグゼ、グランラグゼ、オフモはいずれも、PASがキャビン全体のシステムを開発している。担当者は「家電などで培った技術を投入しました。パナソニックだからできるシステムの統一感と一体感が魅力です。例えば睡眠に特化したトレーラーハウスでは、風の流れで快適に過ごせる技術や、空気中の水分を微細化したナノサイズの微粒子イオンで除菌や脱臭効果などが期待できる『ナノイー』を活用しています」と話す。 展示予定の車両はいずれも車検を取得済み。すでに公道を走行できる状態になっている。2025年に試作、試運転などの最終調整を行い、早ければ2026年から実用化・商品化できるようにしていくそうだ。 車内を快適にする商品は多くの会社が手掛けているが、システム開発の段階から担っているケースは珍しいのではないかと思う。家電の技術に長けたパナソニックだからこそできる快適空間というのは、クルマを市販化する際の強みとなるだろう。現在はアルファードやハイエースなどが中心だが、今後はさらに車種が拡大し、ハードとソフトの両方でバリエーションが増えていくことに期待したい。 ■ 室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。
室井大和