予約6か月待ちの“幻のたまご”復活に向けて…経営破綻乗り越え、農園再建へ再スタートした男性 熱い思いに広がる支援の輪
▼藤田守さん 「泣き叫んでましたよ。やめてくれーってね。今でも泣けるけど。けど、取り壊しにきたそこの社長さんに、看板持っておくから後ろから写真撮ってくれって。絶対この日を忘れるかと思ってね。絶対復活さしたるって思ってね。そう誓った日でしたつらかったけどね」 藤田さんはその誓い通り、農園復活に向けて動き出します。2023年10月に自己破産手続きを経て債務整理を終えた藤田さんは、新たな場所に農園を開くことを決めました。再出発の地に選んだのは以前の農園から直線距離で1.3キロ離れた三原村芳井(よしい)地区です。地区の人口は15人。過疎高齢化が進む三原村の中で最も人口が少ない限界集落です。 藤田さんは地区にある森を借上げ、以前の農園同様、一から開拓を進めています。 ▼藤田守さん 「またこうやってゼロからチャレンジできるっていうのが本当に嬉しい」 農園復活に向け再スタートを切った藤田さん。その原動力となっているのは、廃業後、日々の生活もままならない藤田さんに手を差し伸べてくれた地域の人たちへの感謝の思いでした。 ▼藤田守さん 「仕事もない現金収入もない私に対して仕事を分けてくださった。それによって現金収入を得ることができて、債務整理も無事終わらせることができたというのもありますのでね。自分自身が恩返しができる手段としたらこれ(養鶏)しかない。私は放し飼い養鶏で外貨を稼いで雇用を作っていけるように、もう一回やり直していきたいと思っています」 新しい農園の名前は、「里を守る」という理念を引き継ぎ、「しゅりの森自然農園」にしました。今年11月に鶏の飼育を始め、卵は来年1月から出荷する計画です。森の開拓は順調に進んでいて、現在はスギやヒノキを切り出した場所に、鶏の餌となる桑の木などを植樹しています。また、四季を彩る花や木も植えています。 ▼藤田守さん 「ここの地主さんがすごく協力的で、こんな木あったよ、といってどんどん植えてくれている。ありがたいね。これだけは」
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