アスター財団が「ASTR」を焼却する提案提出、価格が急騰
アスター財団がASTRをバーンする提案を提出
アスターネットワーク(Astar Network)を運営するアスター財団(Astar Foundation)のトップであるマールテン・ヘンスケンス(Maarten Henskens)氏が、ネイティブトークン「アスター(ASTR)」の供給量の5パーセントをバーン(焼却)する提案を6月4日に発表した。 提案されているバーン量は、提案発表時点の価格で約3800万ドル(約59億円)相当である3.5億ASTRである。提案によると、このバーンはアスターネットワークが基盤にしているポルカドット(Polkadot)が以前採用していた、多くのトークンのステーキングを要する仕組み「クラウドローン」を廃止することで可能になったという。 ポルカドットがこの「クラウドローン」を廃止し、「アジャイルコアタイム(Agile Coretime)」を導入することで「クラウドローン」の報酬として必要であったパラチェーン準備金が不必要になる。この準備金として割り当てられていたASTRをバーンするというのが今回の提案だ。 同提案が承認されトークンがバーンされた場合、トークンの供給量が減るためトークンの価格が上昇する可能性が高まるだけでなくdAppステーキングによって得られる報酬も増加するというメリットがある(dAppステーキングは開発者に資金提供する仕組み)。 なお提案には、ステーキングによって得られた約650万ドル(約10億円)に相当する約 7,400万ASTRをオンチェーンのトレジャリーに移すという内容も含まれている。トレジャリーに移された資金は、アスター財団による将来の開発費用や、プロジェクトおよびコミュニティなどへの支援に利用できるようになる。 この提案は今後3週間かけてフォーラムにて議論された後、投票が行われる。この議論中に提案への合意が得られない場合は代替案を検討し、その後投票に移るとのことだ。 フォーラムでは多くの意見が集まっているが、バーンだけでなくトレジャリーへステーキング報酬を移動させる内容についても同意する声がほとんどを占めている。 この提案が発表された後ASTRの価格は大きく上昇し、発表前と比べて執筆時点(6/6 5:00)で約15パーセントの値上がりを見せている。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)