<海に眠るダイヤモンド>神木隆之介、斎藤工、杉咲花、土屋太鳳 “端島の若者”4人が語る舞台裏 自身の「心に眠るダイヤモンド」は?
神木 ホストの役なので「花ちゃ~ん!」と、ちょっとチャラめに迎えてみました(笑)。
◇大先輩・國村隼の技に一同大盛り上がり
--斎藤さん、杉咲さん、土屋さんが演じる役柄について詳しく教えてください。
斎藤:鉄平の兄・進平は、その時代に起きたことや、それによって残ったもの背負いながら、端島に宿る何かを信じて生きている人物です。鉄平が島に帰ってきたことで、端島の明るさのワット数が上がって、僕だけではなく家族にも光が差し込まれていくグラデーションを大切に演じています。
杉咲:朝子は鉄平の幼ななじみでもあり、ずっとひそかに恋心を抱いていて、それを言葉にできないもどかしさも抱えている役どころです。食堂の看板娘として忙しい日々を送る中で、美しいものを見つけると思わず立ち止まるような豊かな心を持っている人。端島には植物がなかったので、花はすごく貴重なものでしたが、なんとか集めた少ない花を職場に飾って大切に過ごしています。そんな感覚を自分の中でも持つため、私も実際に家で花を1輪活(い)けて生活しています。
土屋 百合子も鉄平と朝子の幼ななじみ。新しい女性像を目指すような明るく自由奔放なキャラクターに見えるのですが、いろいろなことを背負っていて……。でもそれを見せずに生きている女の子です。
--他の共演者とのエピソードをお聞かせください。
神木:いづみ役の宮本信子さんは、優しくてパワフルで、本当に助けられています。リハーサルが終わったあとに「玲央くん、どうする?」「じゃあ、私はこうしてみるね!」と、面白いものと出合えるのではないかという、期待と希望に満ちた表情で相談してくださるんです。
斎藤:本読みでの宮本さんの姿も印象的でした。本読みはどうしても台本の文字を追う作業になりがちなのですが、宮本さんはずっと神木さんを見つめていて、心で捉えている姿に痺(しび)れました。
僕は父・一平役の國村隼さんとのシーンが多いのですが、國村さんはカメラの画角的に、「ここに顔が来るといいな」という場所にちょうど合わせてくる天才的な技をお持ちで、僕らはそれに「KUNIMURA」という体操競技のような技名をつけています。