出会いのきっかけはSNS。憧れの真っ赤なポルシェとスポーツカーに憧れる建築家、その運命的なめぐり逢いの一部始終とは…
ときに車は、人生を共に過ごすパートナーにもなるもの。現在、活躍中の建築家やデザイナーの愛車にまつわるストーリーをひも解く連載「クリエイターの愛車」では、人と車が紡ぐストーリーをご紹介しています。今回は、著作「最高に美しい住宅をつくる方法」でも有名な建築家の彦根明さんをフィーチャー。 【写真集】今、話題の建築家の愛車を語る!クラシックカーと最先端の電気自動車 東京を中心に全国で住宅の設計を手掛ける彦根さん。物腰柔らかな方で、家づくりにおける希望や悩みをフランクに相談できます。彦根さんと今の愛車は、運命的な出合いを果たしました。
「選んだ」のではなく「出合った」。真っ赤なポルシェ911
彦根さんが5、6年前から大切に乗っているのが、「ポルシェ 911 スーパーカレラ(1981年製)」。40年以上前につくられた車です。ポルシェを代表するシリーズ。多くの人の憧れの一台といえるでしょう。 実はこの年代モノの車と彦根さんの出合いはSNSのつながり。何とも現代的なツールがきっかけになりました。建築家の中村高淑さんがご自身のSNSに「ポルシェを手放すけれど興味のある方はいますか?」と投稿。それを見た彦根さんはすぐに連絡を取ったそう。 「選ぶのではなく出合うという感覚です。この車を見に行ったときに、心は決まりました。ポルシェ911のデザインとコンセプトがとにかく好きで、免許を取った頃の憧れの車の1つでしたから。しかも、車体の色も赤というところもぐっときました」 ただ、譲り受けたあとにかなりのオーバーホールが必要な状況ではあったそう。 「オーバーホールももちろん、その後の維持費もかかります。自分にこの車を引き受ける力と気持ちがあるだろうか?と少し悩みました。でも、こうして巡り合ったのも稀有なこと。この機会を逃したくない、という想いが勝りましたね」 オーバーホールにかかった期間は1年2-3カ月。まさに住宅でいうとスケルトンリノベーション並みの大がかりなプロジェクトになりました。
ポルシェにたどり着くまでの彦根さんの車遍歴とは?
彦根さんが免許を取ったのは、大学に入学したときのこと。実家が田舎のほうに引っ越すことになり、生活するうえで車が必要に。そのときに手に入れたのが、中古の日産の「フェアレディZ」でした。 日本を代表するスポーツカーを気に入っていた彦根さん。結婚して子供ができてからも乗り続けていたそう。ただ、故障も多く、各方面から苦情が来ることも…。 「趣味の車に乗るのも限界かな、と感じ、移動や物を運びやすいハッチバックタイプの車にチェンジしました。仕事柄、模型がさっと乗せられること、家族全員が心地よく乗れることといった条件から、スバルの『レガシィツーリングワゴン』やホンダの『シャトル』に。とても乗りやすい車でいろいろなところに行きましたね」 やがてときが経ち、趣味に費やしたいという気分に。そんなときに出合ったのがポルシェ911だったのです。