和田秀樹 物忘れがひどい=認知症ではない!<いい物忘れ>に共通するある特徴とは…「うつ病の可能性にも気を付けて」
「『日々、ためす、楽しむ』。これこそが、若々しさの秘訣です」そう語るのは、著者累計1000万部を超えるベストセラー作家であり、長年高齢者医療の現場に携わる精神科医・和田秀樹先生。そんな和田先生の著書『60歳からはわたしらしく若返る: 一生、元気に美しく年を重ねられる365のヒント』から一部引用・再編集し、「脳・心・体に自信を持ち続けるために取り入れたいこと」を、当連載にてご提案します。今回のテーマは「『いい物忘れ』と認知症は違う」です。 【写真】「奥さんへの依存で夫婦関係は悪化する。本当に助け合わないといけなくなるまでは別行動すべし」と語る和田先生 * * * * * * * ◆知っておきたい認知症のこと 「いい物忘れ」と認知症は違う 年を重ねると物忘れが増え、「認知症ではないか」と不安になる人がとても多いようです。 しかし、物忘れがひどい=認知症ではありません。 物忘れには「いい物忘れ」と、認知症がある程度進んだ人に生じる「悪い物忘れ」があります。
◆「いい物忘れ」「悪い物忘れ」の特徴 「いい物忘れ」の特徴は「体験の一部」を忘れることです。 朝食に何を食べたかを忘れた、でも食べたことは覚えている。 ヒントがあれば、すぐに思い出し、物忘れを自覚しています。 「悪い物忘れ」は、朝食を食べたこと自体を忘れた状態。 「体験全体」を忘れてしまい、ヒントを与えても思い出すことができません。 物忘れの自覚がないケースが多いのも特徴です。 「悪い物忘れ」の症状がある場合は、認知症以外にうつ病や男性ホルモン低下の可能性もあるので、病院で調べることをおすすめします。 ※本稿は、『60歳からはわたしらしく若返る:一生、元気に美しく年を重ねられる365のヒント』(日本文芸社)の一部を再編集したものです。
和田秀樹
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