「裁判さえなければ復帰できる」と思っていたはず… 「松本人志」のテレビ起用に“局が及び腰”なワケ
年の瀬の風物詩「M-1グランプリ」。漫才のチャンピオンを決するこの番組は、2大会連続で「令和ロマン」が王座に輝き幕を閉じた。が、前回まで審査委員長として君臨した「ダウンタウン」松本人志(61)の姿はなく――。 【写真をみる】松本人志の“後任”として大活躍の「後輩芸人」とは? ***
「裁判さえなければ復帰できる」という思惑
自身の性加害疑惑を報じた「週刊文春」の発行元の文藝春秋などに対し、名誉を毀損されたとして起こした訴訟を取り下げたのは11月のこと。5億5000万円と損害賠償請求額が莫大だったこともあり、世の耳目を集めたが、なんとも尻すぼみの結末だった。 「遅くても2025年春の番組改編までには、芸能活動を再開したいと考えてのことだったのでしょう」 とは、さる民放プロデューサーである。 「裁判さえなければ、スムーズに復帰できると思ったのかもしれません。そんな思惑とは裏腹に、来春にはフジテレビの“松本物件”ともいうべき『ワイドナショー』と『だれかtoなかい』の2番組の打ち切りが決まった。打ち切りの理由は単純、まず視聴率が振るわなかったからですね」(同)
“松本人志ありき”の番組
例えば24年12月8日放送回の「ワイドナショー」の世帯視聴率は3.3%、個人視聴率は1.8%。裏番組の「サンデージャポン」が世帯10.4%、個人5.7%だから、トリプルスコアの差がついた。また、「だれかtoなかい」も個人視聴率が1~3%を行ったり来たりの低迷ぶりだった。 「そもそも、両番組とも“松本人志ありき”で始まりました。それぞれ東野幸治、中居正広との丁々発止の掛け合いが期待されていたわけで、その片割れだけではコンセプト自体が瓦解していた。それに、当の松本さんのテレビ復帰は、本人の意に反して、局の腰が重いままなのです」(前出のプロデューサー)
“局が及び腰”なワケ
局が及び腰になるのには、理由がある。 「まず、SNSの“アンチ松本”の声を突破するのと、スポンサーへの説得に骨が折れるから。スポンサーにとって、大逆風の中、火中の栗を拾ってまで松本さんを起用するメリットがあるかといえば疑問です。もう一つは、松本さんの不在に業界も世間も慣れてきたこと。これは島田紳助さんのケースと一緒です。『酒のツマミになる話』で松本さんの後任をこなす千鳥のように、目覚ましい活躍を見せている後輩芸人がいますからね」(前出のプロデューサー) 思わぬ計算違いの続出で、にっちもさっちもいかない状態なのだ。 「『M-1』の世帯視聴率が、関東では昨年よりも0.8ポイント上がって18%、関西では2.5ポイント下がって25.5%でした」 とは、元MBSプロデューサーで、同志社女子大学学芸学部教授の影山貴彦氏。