伝わるWebサイトをつくる! ユニバーサルデザインの基本と具体的な改善方法
また、次図のように、濃い赤と黒、オレンジとグリーンのように、見分けにくい色の組み合わせがある。
加齢によって発症する白内障の場合は、「明度が似た色の組み合わせ」が見分けにくくなる。そこで間嶋氏は、色覚特性によって見分けにくい色を簡単に確認できるアプリ「色のシミュレータ」を紹介した。 自分が進行中のデザインにおいて、こうした見分けにくい色の組み合わせに気づいた時、改善方法として次の3つがあるという。 ■ [色の改善法(1)] 色味をずらす
赤と緑、濃い赤と黒など見分けにくい色同士では、一方の色味をずらすことで見えにくさを改善する方法がある。たとえば次図のように黒が背景の場合、濃い赤をオレンジ寄りにすると少し見えやすくなる。
さらに見分けにくい色と色が隣り合わないように境界線を追加しても、見た目の印象を変えずにより多くの人が見分けやすい改善できる。 なお、色数の多いグラフや地図の色分けなどでは調整が難しくなるため、「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブック」を利用する方法もある。 ■ [色の改善法(2)] コントラストを高める
情報を伝える要素と背景との色の明るさの“差=コントラスト”を調整するのも有効な方法だ。たとえば「黄色い背景と白い文字」のように、背景と文字の色の明るさの差が小さい=「コントラストが低い」場合、光が散乱して眩しく感じられる症状のある「ロービジョン」の人、白内障の症状がある高齢者には見分けにくい。また、屋外の直射日光の下や薄暗い部屋などのように、ユーザーの状況次第では見えにくくなる。
コントラストについては、「WCAG(Web Content Accessibility Guidelines:Webコンテンツ アクセシビリティ ガイドライン)」で基準が定められている。また、「Contrast Ratio」のようなコントラスト比を確認できるツールもある。