いまだ根強い「男性優位主義」――イタリア女子サッカーの厳しい現実【現地発】
夏の放映権オークションに1社も参加しなかった現実
W杯の早期敗退も注目度を落とした一因だろう。目も当てられなかったのが第2戦のスウェーデン戦(写真)で、0-5の完敗だった。(C)Getty Images
イタリアで女子サッカーは見捨てられようとしているのだろうか。発展を妨げているのは、根強いマチズモ(男性優位主義)やそれがもたらす不公平や理不尽。数年前に到来を予感させた明るい未来は、どうやら幻想に過ぎなかったようだ。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2023年11月16日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリアで女子サッカーは見捨てられようとしているのだろうか。今夏にオーストラリアとニュージーランドが共催した女子ワールドカップ(W杯)で、イタリア代表があえなくグループリーグ敗退を喫したこともあってか、女子サッカーへの注目度は一気に冷え込んでいる。 象徴的なのは、今シーズンのセリエA女子放映権に当初、まったく買い手がつかなかった事実だ。夏に行なわれた放映権オークションには、こ
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