スシローvsくら寿司vsはま寿司…“競争激化”の回転寿司チェーン。「栄枯盛衰で生き残る」カギは
首位を追いかける「はま寿司」
外食売上ランキング首位で、すき家などを運営するゼンショーが、回転寿司事業への参入を目的として、2002年10月に設立したはま寿司。なおゼンショーは以前、かっぱ寿司やあきんどスシローを傘下としていた時期もあったが、現在では関係を解消し、独自に設立したはま寿司を展開している。 以前、価格競争で他店と差別化を図るために、寿司全皿平日90円キャンペーンを開始したこともあるが、物価高騰などの理由で2022年に終了した。従業員の負担軽減を目的に、人型ロボット「Pepper」を設置して話題にもなった。 メニューは90種類程度で、味噌汁・ラーメン・うどん・ケーキなども提供しており、他店とほぼ同質化しているように見える。
回転寿司業界の将来とは?
今後も、上位3チェーン店が競い合って市場を更に拡大することが推察される。そして、独自性を発揮した店が追随していくことになる。各店が成長に向け、①仕入れ力の強化、②魅力ある品揃えの強化、③DXも含めオペレーションの強化などに磨きをかけて、競争優位性を確保するであろう。 回転寿司業界を取り巻く環境をよく見ると、地球温暖化や海洋汚染から身近な回転寿司の存続が危ぶまれている現在では、水産資源保全の観点からも、寿司ネタである海産物たちが生きている海を何とかしないといけない。 回転寿司は食材である魚のコスト割合が大きく、売上原価で4~5割を占める中で、海水温の上昇や世界的な人口増加、ウクライナ危機などを背景に、漁獲量の減少や魚価格の高騰が、経営を圧迫することが懸念される。SDGsが掲げる目標14「海の豊かさを守ろう」の、健全で生産的な海の実現が肝要である。海産物が獲れなくなってしまったら、回転寿司の存続は困難である。実効性ある対策を講じていかないといけない。 <TEXT/中村清志> 【中村清志】 飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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