石破首相、拉致被害者家族の集会で〝集中砲火〟 連絡事務所の撤回は…島田洋一議員の質問主意書に政府「お答えすることは差し控えたい」
石破茂首相が北朝鮮による拉致問題解決に向けて掲げる「東京・平壌での連絡事務所開設」に対し、集中砲火が浴びせられた。23日、東京都千代田区で開かれた被害者家族会など主催の国民大集会で、これまでも反対を表明してきた家族に加え、首相の身内であるはずの自民党議員も連絡事務所の問題点を指摘し、野党幹部からも言及があった。石破首相はこの日も持論を〝封印〟したが、反対論が広がり続けている。 【写真】保守党・島田氏「日朝議連内閣だ」 首相、外務、防衛主要3大臣がメンバーを警戒 「連絡事務所のことがいろんなところで言及されているが、これは時間稼ぎだけでまったく解決の効果はない。あえて私がきょう指摘をさせていただきたい」 超党派の国会議員でつくる「拉致議連」会長を務める古屋圭司元拉致問題担当相(自民党)は23日、石破首相の眼前でこう述べた。首相はぶぜんとした表情だった。 古屋氏は、石破首相がかつて日本と北朝鮮の関係改善に前向きな議員連盟に所属していたとも指摘し、「これを逆手に使っていただいて首脳会談の突破口になんとしてでもつなげていただきたい」と語った。 これまで機会あるごとに連絡事務所の危険性を訴えてきた家族会代表の横田拓也さん(56)も改めて、「どうか北朝鮮の工作・謀略に乗ることなく、毅然(きぜん)とした外交を貫いていただきたいと思います」と要望した。 玉木氏も言及 野党からも連絡事務所に言及があった。 国民民主党の玉木雄一郎代表は、家族会との21日の面会で「連絡事務所の設置であるとか合同調査委員会の設置などクセ玉が飛んできたときに、簡単に受け取らないように政府をしっかり監視してほしいという要請をいただいた」と明かし、「このこともしっかり胸に刻んで取り組んでまいりたい」と語った。 石破首相は9月の自民党総裁選で、政策として「連絡事務所」を掲げたが、首相就任後は沈黙を続け、23日の集会でも言及がなかった。 連絡事務所については、日本保守党の島田洋一衆院議員が質問主意書で、撤回の考えがあるかをただしたのに対し、政府は22日、「今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい」とする答弁書を閣議決定した。 島田氏は23日、夕刊フジの取材に「これだけいろんな人が繰り返し、連絡事務所や合同調査委員会は『必要もないし、絶対に乗らないように』とクギを刺したので、そこを崩すようであれば内閣を潰しにかからないといけない問題であることを認識してもらいたい」と語った。