「『コナン』の和葉役を降ろさせてください」声優・宮村優子 橋本病で「声が出ない」引退を覚悟した日
── 現在はもう病気の症状は出ていないのでしょうか? 宮村さん:ふだんは大丈夫ですが、多忙でストレスを抱えていたり、睡眠不足だったりすると「ちょっと危ないな」という感覚はあります。人にもよると思いますが、私の場合、バセドウ病と橋本病は、それぞれ異なる前駆症状があらわれます。バセドウ病寄りになっているときは、ものすごく元気になるんです。気持ちもハイになって、ガンガン動き回って仕事をこなしてしまいます。そういうときは「これは大丈夫かな?」と、いったん立ち止まるようにしています。
橋本病の症状が出始めているときは、舌の奥が重くなる感覚があります。どちらも自覚症状があるから、体調には気を配り、バランスをとるようにしています。ふだんは元気なのは当たり前だと思いがちですが、健康って本当に大事だし、ありがたいものだと痛感します。 PROFILE 宮村優子さん みやむら・ゆうこ。声優。兵庫県神戸市出身。1994年、『勇者警察ジェイデッカー』のレジーナ・アルジーン役で声優デビューを果たし、1995年に放送が始まった『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレー役で大ブレイクする。『名探偵コナン』の遠山和葉役も担当。2009年からオーストラリアに移住。2016年に帰国後、声優として第一線で活躍しながら、講師として後進の育成にも務める。2児の母。
取材・文/齋田多恵 写真提供/宮村優子
齋田 多恵