女殺陣師の山野亜紀が東久邇宮文化褒章を受章、殺陣の技術を次世代に継承する功績に
女殺陣師である「女邦史朗」こと山野亜紀(やまのあき)が、東久邇宮記念会より与えられる令和6年度の「東久邇宮文化褒章」を受章した。 【画像】左から林邦史朗、山野亜紀(他3件) 社会や公共・文化振興などに貢献した人物を顕彰する目的で設立された東久邇宮文化褒章。今回の受章は、山野が師である故・林邦史朗(はやしくにしろう)と共同で「林流総合武術」の教育用DVDシリーズを制作し、日本の映像文化を支える殺陣の技術を次世代に継承する礎を築いたことに対して贈られた。 2015年に亡くなるまで、大河ドラマをはじめ数多くのテレビ作品や映画、舞台で殺陣・武術・所作指導を手がけ「伝説の殺陣師」とも呼ばれた林。1994年より林に師事した山野は、2014年に兄弟弟子の中川邦史朗と「邦史朗」の名を分け合って継ぎ、「女邦史朗」として日本初の女殺陣師となった。 教育用DVDは、アクション演技にまつわる怪我や事故などのリスクを低減するために林が考案した稽古手法を、誰でも気軽に学べるようにと山野が提案して企画・制作されたもの。現代劇、時代劇の格闘や立ち廻り場面における体の使い方の基礎が学べるほか、実際の武術とドラマ上の演出との違い、安全面への配慮など幅広い知識が盛り込まれているという。 「今回の受章は、業界全体に対する励ましと受け止めています」と話している山野。喜びのコメントは以下の通り。 ■ 山野亜紀 コメント 今回の受章は、師である林邦史朗の長年の功労が報われたものと思い、師に代わりまして深く感謝申し上げます。死の直前、師は「自分が会得した殺陣や真剣刀法の技術や、所作の知識を映像という形で遺すことができ本当によかった」と申しておりました。ただ、DVDを見るだけでは技術は身に付きませんので、やはり地道なトレーニングが必要です。私は邦史朗の名を継ぐひとりとして、師の信念と教えを身をもって一人でも多くの方々に伝えていきたいと思っております。