「野球界にとって何たる喪失だろうか」大谷翔平の米球宴の本塁打ダービー辞退が波紋…ロバーツ監督は「一人でメジャーの責任を背負う必要はない」と擁護し「中止論」も起きる
あまりにも肉体への負担が大きく、過去に本塁打競争で故障を負ったり、無理なスイングで打撃フォームを崩して後半戦に調子を落とす選手が相次いだ。そのため今季からルールをマイナーチェンジ。時間制限に加えて、準決勝までは最大40球、決勝は最大27球と球数を制限。また延長戦は、準決勝以降からとなり、1回戦で本数が並んだ場合は、最長飛距離で順位付けするなど、スイング数の負担を減らすように様々な工夫がなされたが、現在32本でア・リーグの本塁打争いでトップを独走しているヤンキースのアーロン・ジャッジが、早々と不参加の方針を表明するなど、選手からの不人気に変わりはなかった。ジャッジは2017年を最後に不参加を続けている。 本塁打競争は、8人が参加して行われるが、現段階で参加を表明しているのは、ア・リーグでジャッジに次ぐ26本を放っているオリオールズの遊撃手ガーナー・ヘンダーソン一人だけ。 ロサンゼルスタイムズ紙は、大谷の不参加表明を受けて「大谷も辞退した。もう本塁打競争は中止にすべきだ」とのタイトルをとって中止論を展開させた。 同紙は大谷の不参加表明を「オールスターの1日前に開催されるイベントにとって何たる喪失だろうか。野球界にとっても何たる喪失だろうか。野球にあまり関心のないファンの誰が、ガーナー・ヘンダーソンの本塁打競争を見るためにテレビをつけるのだろうか?」としながらも「大谷の決断は、野球界の宣伝の義務に対する職務怠慢と見なされるべきではない」と理解を示した。 またロバーツ監督のコメントを紹介しつつ「大谷はポストシーズンでのプレーを望んでいる。オールスターウィークは、野球界にとって最大の舞台ではない。10月がその舞台なのだ。大谷が本塁打競争で勝つ、もしくは参加するだけで、数日間は野球界に(ファンの)興味を引きつけることができるかもしれない。しかし、大谷がプレーオフで圧倒的な力を披露することが、人気を落としているこのスポーツの行く末を変えることになるかもしれない」と説明。 「大谷は、右肘の修復手術のリハビリ段階にあるため、本塁打競争の参加はチームの幹部、トレーナー、医師の承認次第だと、くぎを刺していた。言い換えれば、この判断は彼が期待されているマウンドへの復帰を考慮してのものだろう。二刀流選手は来年には投球を再開すると見込まれている。そして大谷は、10月のポストシーズンの戦いにたどり着き、そこでプレーを披露するということに賭けたのだ」 そして同紙は、これだけ選手に負担をかける本塁打競争は、もう中止にすべきだとの主張を展開させた。 「もうメジャーリーグは本塁打競争を中止にした方がましだ。大谷が不参加を表明した今、その(開催する)主旨はいったいどこにあるのだろうか?」 本塁打競争が、球宴ウイークを盛り上げるイベントの華であるのであれば、本塁打の打てるスターが登場しなければ価値はない。今後は、選手への負担を減らして、辞退者をなくすための、さらなる大幅な方式変更が必要になるだろう。
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