禅美術の名宝展「禅ー心をかたちにー」4月12日から京都国立博物館で開催
「禅ー心をかたちにー」が4月12日~5月22日、京都国立博物館・平成知新館(東山区茶屋町527)で開催されます。2016年は臨済義玄の没後1150年、さらに日本における臨済宗中興の祖である白隠慧鶴(はくいんえかく)(1686~1768)の没後250年の遠諱法要が行われます。 同展は臨済・黄檗両宗15派より、禅僧の肖像や墨蹟、仏像、絵画、工芸など国宝19点、重要文化財103点を含む226点の名宝を集めた過去最大規模の禅の展覧会です。 どこかで見たことのあるもの、初めて目にするユニークなものなどさまざま。そのひとつに室町時代の禅僧、如拙(じょせつ、生没年不詳)の『瓢鮎図(ひょうねんず)』があります。「つるつるのひょうたんで、ぬるぬるのなまずを捕まえよ」という矛盾にどう答えるか。いにしえの高僧がどう答えたか、はたまた現代人だったらどう答えるのか、考えながらじっくり鑑賞したい作品がたくさんあります。
約1500年前、菩提達磨(ぼだいだるま)によってインドから中国に伝えられた禅。臨済義玄によって広まり、鎌倉時代に日本にもたらされました。その後、武家や天皇家、公家の帰依を受け、日本の社会や文化に大きな影響を与えました。江戸時代には白隠慧鶴などによって民衆への普及が広がりました。 特定の経典を持たない禅宗はその教えを言葉や文字に頼らず、師の心から弟子の心へと、以心伝心で受け継いできました。坐禅がその修業の中心となりますが、日常生活の行いやふるまいすべてが修行の一環として重視され、禅問答を通じた師と弟子の心の交流を経て、悟りの境地へと至ります。 現在、多くの禅寺では坐禅会や僧侶による講話が行われています。政財界のトップクラスの人たちや、海外からの観光客にも人気です。米・アップルの創業者の一人、故スティーブ・ジョブズ氏(1955~2011年)が禅に傾倒していたことも有名。国内外で生活スタイルに「ZEN」の思想が取り入れられています。 入館料:一般1500円(1300円)、大学生1200円(1000円)、高校生900円(700円)※( )は前売・20名以上の団体料金、開館時間:午前9時30分~午後6時(金曜日は午後8時まで、入館は各閉館の30分前まで)、休館日:月曜日、最新情報、詳細は公式サイトをご参照ください。