企業の想定為替レート、140円88銭 円安進行で実際と20円の隔たり 帝国データ調べ
企業が業績の見通しや事業計画を作成する際に活用する想定為替レートが、実際の為替レートに比べ20円近く円高水準にあることが、帝国データバンクの調査で分かった。5月時点の企業の想定為替レートが平均で1ドル=140円88銭に対し、27日の東京外国為替市場は1ドル=160円台で推移しており、企業の想定を超えて円安が進行している実態が浮き彫りとなった。 想定為替レートの内訳は、146~150円が24・7%で最多。次いで156円以上(13・9%)▽141~145円(11・4%)▽151~155円(11・1%)▽136~140円(11・0%)ーだった。 業界別では、「農・林・水産」が147円59銭と、最も円安の水準を予想。最も円高水準を予想した「不動産」(131円71銭)とは15円88銭の差があった。他に140円以上を予想したのは、「卸売」(144円30銭)、「製造」(141円09銭)、「金融」(140円44銭)だった。 また、直接輸入取引のみをしている企業は、直接輸出取引のみをしている企業より3円91銭安い145円89銭を想定。輸入企業の方がより円安が進むと予想する傾向にあった。さらに、中小企業(141円54銭)や小規模企業(138円14銭)に比べ、大企業(144円16銭)の方が、より円安が進むと予想したことも確認された。 調査は5月20~31日、全国2万7104社を対象に実施。回答した1万1410社のうち、想定為替レートを設定している2466社から算出した。