【選手権】静岡学園、前回王者・青森山田撃破の高川学園に2-0快勝
第103回全国高校サッカー選手権大会第4日は1月2日、首都圏4会場で3回戦8試合が行われ、浦和駒場スタジアムでの第2試合は静岡学園(静岡)が高川学園(山口)に2-0で快勝し、1月4日の準々決勝(14時10分・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)で東福岡(福岡)と対戦することになった。 【フォトギャラリー】高川学園 vs 静岡学園 1、2回戦とも2-0で快勝した静岡学園は、左MF加藤佑基(3年)が自慢のドリブルで敵陣へとぐいぐい進入。ゆったりとしたリズムから緩急をつけた多彩な攻撃に加え、ドリブルを駆使して相手のマークをはがすやり方は、いかにも静岡学園らしかった。 初戦の2回戦で2連覇を狙った青森山田(青森)を2-1で破った高川学園は、3バックがセンターラインを固めて敵の進入に備えた。長いキックとサイドアタックを軸にし、個人技の高い右ウイングの大森風牙(2年)が外をえぐり、後方からも次々とプッシュアップして分厚い攻撃を展開した。 静岡学園は前半8分、左FKからCB岩田琉唯(3年)が惜しいヘディングシュートを放ち、17分には1トップの乾皓洋(3年)がボレーで得点を狙った。24分にボランチ天野太陽(3年)、追加タイムには右ウイング原星也(3年)が右から逆サイドに打ったものの、惜しくも枠を捕らえられなかった。 高川学園は12分、右ウイングバック大島凛己(3年)が強烈な左足シュート放ったが、GKにもう少しのところでセーブされてしまう。 前半は静岡学園がシュート7本で、高川学園はこの1本だけ。0-0で折り返した。 後半が始まってすぐ、静岡学園が逆襲から個人技を生かした先制点をゲットした。加藤が左からスピードに乗ったドリブルで進撃。ボランチ細見颯斗(3年)のマークを振り切り、出てきたGKまでも抜き去って無人のゴールに決勝点を流し込んだ。
高川学園は後半14分、細見の右クロスからMF西岡剛志(3年)が右足シュート。わずかに右へ外れ、27分にはMF中津海蓮恩(3年)の絶品右クロスを左ウイングバック松木汰駈斗(3年)が、ヘッドで完ぺきに捕らえたが枠に飛ばせなかった。 20分に加藤のドリブル突破が相手DFの反則を誘ってPKを獲得。加藤が自らキッカーとなったが、勢いのあるボールはバーのはるか上に飛んでいった。これには川口修監督も「あんな120パーセントの力で蹴らなくても」と思わず苦笑いした。 しかし静岡学園は39分、左SB鵜澤浬(3年)がドリブルで持ち上がってから絶妙のスルーパス。素早く反応したMF篠塚怜音(2年)が、コースを見計らった技ありのシュートをゴール右に決めて駄目を押した。篠塚はこれで3試合連続得点をマーク。 3大会ぶりに8強へ進んだ川口監督は、「相手は絶対、中はやらせないという守りだった。ブロックをつくられ、そこに入るとはね返される難しい戦いでしたが、うちが点を取れてちょっとだけ上回った試合でしたね」と高川学園の守備と戦い方をリスペクトしていた。 (文=河野正 写真=矢島公彦)